糸島市で記念法要とイベント
キッチンカーが並び大道芸人も参加
開基500年を迎えた糸島市長野にある玉栄寺で8日、記念法要とイベントが行われた。門信徒約70人と近隣のご縁ある人々が集い、節目を共に祝った。
午前中は門信徒が参拝し、記念法要が行われた。父親が門徒である、インドネシア・バリ在住のカデ・フェリー・井上真由美さんと夫のカデさんが一時帰国しており、バリに古くからあるリンディックという竹製の楽器の演奏が法要に趣を添えた。
午後はキッチンカーが境内に並び、大道芸人のミスターブンブンが御堂いっぱいの参拝者を楽しませた。また、奈良県のお寺の住職を務めながらシンガーソングライターとしても活躍するやなせななさんがライブを行い、優しく伸びやかな歌声を響かせた。
室町時代後期の1523(大永3)年に、筑前国怡土郡長野村に、浄土真宗本願寺派廣谷山玉栄寺は建立された。延宝の頃(1673年~81年)火災によって、古文書、寺宝などが焼失したものの、本尊の阿弥陀如来像は危うく難を逃れ、現在地(糸島市長野)に再建された。
門信徒会会長の久家英明さんは、隅々まで手入れされた明るい御堂を見上げながら、「この建物は大正半ばくらいに建てられ、100年は経つものでしょうね。代々の住職や先代の門信徒が、想像もつかないようなご苦労を乗り越えて引き継いでこられた。500年という節目に居合わせることができ本当に幸せです」と感慨深く話した。
2004年、第15世渡辺静波住職が永眠後、3年の空白期間を経て、第16世住職として中島至さんが妻の祐子さんとともに07年に入寺。門信徒会と二人三脚で、護寺発展に努め、東日本大震災後にはチャリティーイベントを毎年開催するなど、幅広い年齢層を対象に、ご縁づくりを意欲的に行っている。
中島住職は「コロナや戦争など不安が尽きない世の中だが、これまでもそうだったように、これからも揺るぎない心のよりどころとなるお寺、笑顔と御念仏があふれるお寺を目指し精進していきたい」と話した。