【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.49(11/17号掲載)

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果樹・庭木栽培のQ&A

 今年の晩秋は気温が高めで、私たちの生活観もやや戸惑い気味ですが、例年だと、この時期から翌年2月上旬にかけ、カキやブドウなどの落葉系果樹や庭木類の生育活動は休眠期、柑橘などの常緑系は半休眠期に入ります。野菜や草花とは違い、何十年と同じ場所で生きる樹木類。苗木を植え込む場合、ここはしっかり土作り、つまり基礎固めが重要です。苗木の植え込みから初期生育について、よくお受けするご質問をまとめてみました。

 Q1 庭に木を植えたいのですが、場所や環境など注意点を教えてください

 A ポイントは①日当たり良好②水はけ③風通しーの3点でしょう。例えば、新しい住宅でよくシンボルツリーとして植えられているのが「ヤマボウシ」。本来、森林豊かな場所でひっそりと育っている性格から、葉は直射日光に弱いので、夏の日差しが柔らかい所を好みます。逆に「ハナミズキ」は光に対し感受性が強いので、街路樹によく植えられています。

 このように日差しの加減で、植えられる木が決まります。水はけは土質によって変わりますが、水はけが悪い場合は、排水溝などを確認。表面の水が排水溝へ流れるよう勾配をつけるなどの処置が求められます。木々の特性と生育環境を照らし合わせてから、樹種を選んでください。

 Q2 庭木に適した土とは

 A 理想は、通気性がよく保水性と水はけに優れ、養分を含む土。クヌギなどの落葉樹の土を掘ってみると、落葉が堆積し、葉が黒々した物質に変わっています。死んだ動植物が分解し、生成された褐色や黒色の有機物が土壌を肥している状態で、あらゆる植物にとって非常に重要な要素素材といえますし、庭木に適した土とも言えます。

 Q3 土壌改良材について知りたいです。

 A ①土の保水性や通気性を高める②水はけをよくする③土のpHを調整④初期生育に必要なミネラル類補給-など、土壌を樹木などの生育に適する方向に改善するのが役割です。お薦めは、1本の苗木に対し、腐植堆肥「糸島よか堆肥くん」10リットル、ケイ酸カリと糸島かき殻石灰「シーライム」を各一握り、土とよく混ぜ合わせ、土を占め込みながら植え込みます。

 植え方は、深く掘った穴の土が降雨などで下がりますので、少し高めに植え込み占め込むことです。さらに株回りには、土が流れ出さないようにしたり、土の渇きを防いだりするために、少し土を盛って水鉢を作っておくと、初期生育が安定します。

苗木を植え込む時に腐植堆肥「糸島よか堆肥くん」と「ケイ酸カリ」「シーライム」を少量与える
平地よりやや高めに植付、株回りは土の流亡や乾燥防止として水鉢を作っておく

 サクランボやスモモなど春になると収穫が楽しみになりますし、モミジなどは秋には鮮やかな紅葉となります。身近で四季を感じることは、私たちの感性を守ってくれているように思います。

見事な梅園

(JA糸島経済部部長補佐、アグリマネージャー 古藤俊二

※糸島新聞紙面で、最新の連載記事を掲載しています。

古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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