伊都文化会館自主事業「勘緑塾」
「文楽人形の三人遣い」の操作技術を学ぶ、糸島市の伊都文化会館の自主事業「人形演劇勘緑塾」。今年4回目となる稽古が南風コミュニティセンターで行われ、6人の塾生が懸命に取り組んだ。
「歩幅が広すぎんねん、歩幅合わせて」。元人形浄瑠璃文楽座人形遣いであり、現在は人形演劇「木偶舎」を主宰する勘緑さんの熱のこもった大阪弁が飛ぶ。主役である人形に命を吹き込むには、3人の遣い手が息を合わせることが重要だ。勘緑さんの厳しくも軽妙な口ぶりに時折笑顔を見せつつも、塾生らは真剣な表情で全身の動きに意識を集中させていた。
人形遣い初挑戦という野中華子さん(51)は足遣いを担当。悪戦苦闘しながらも「すり足などの『和』の動きが新鮮で楽しい」と生き生きと話す。
古典ではなく、現代の作品と音楽を用いた「人形演劇」を通じて、三人遣い人形の普及を目指す同塾。文化に対して真摯(しんし)に取り組む塾生の姿勢が「糸島らしい」と、勘緑さんは期待を込めて話す。今後は「糸島伝説などを題材にした糸島発の作品を作りたい」と、糸島での活動にさらなる意欲を見せている。
ママトコラボ取材班 榮 鮎子