コラムまち角– tag –
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【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》望東尼救出、成功の要因
福岡藩の勤王派に対する弾圧事件で幕末、姫島に流された女流歌人、野村望東尼(ぼうとうに)の獄舎が島内に再現された話題を、本紙の先週号で取り上げた。その取材で久しぶりに獄舎跡を訪ねたとき、強風で白波が立つ唐津湾の光景がやけに印象的だった。長... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》アレンタウンの槌音
米国のトランプ大統領が掲げる「米国第一主義」。「自国に製造業と、その雇用を取り戻す」として、目まぐるしい展開をみせる大統領の関税政策が世界を混乱させている。高関税によって自国産業を守り「アメリカを再び豊かに」と、大統領が訴えるニュースに... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》恵みもたらす山の神を参拝
新緑の季節、好天に誘われて二丈岳(標高711メートル)登山をした。糸島市二丈福井の加茂ゆらりんこ橋を起点に、二丈渓谷沿いの登山道を登り、小さな盆地になった真名子の地を経て山頂を目指した。息を切らしながら、一人黙々と木漏れ日の差し込む杉木立を... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》福岡城跡の価値 どう伝え残すか
桜便りに心躍らせ、糸島の名所を巡った後、福岡市の舞鶴公園に足を延ばした。園内にある福岡城跡の天守台に、パイプで組み上げた「幻の天守閣」がお目見えし、6日まで見学できるとのニュースに触れ、桜越しに見上げてみることにした。夜はライトアップ... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》清浄明潔な季節
いよいよ、新年度が始まった。4日は二十四節気の「清明(せいめい)」。江戸時代に出版された「こよみ便覧」はこう解説する。「万物発して清浄明潔(せいじょうめいけつ)なれば 此芽は何の草としれる也」。明るく生き生きとした季節の中、草木が芽吹き... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》AI時代に大事となる智慧
人と会話しているかのような感覚で文章を生成する対話型人工知能「チャットGPT」の進化などにより、仕事や暮らしにさまざまに関わるようになってきた人工知能(AI)。生産性向上などが期待できる一方、あまりにも速い開発ぶりに、どんな影響が出てく... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》無駄を楽しんでみると…
春の日長、草取りのシーズンが巡ってきた。いつもなら、休日の大切な時間がどんどん費やされてしまい、恨めしく思うのだが、今年はその煩わしさがどこかに行き去った。書店でたまたま手にした本との出合いがそうさせてくれた。その本は「今日、誰のため... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》古代の精神受け継ぐ相撲
映画「大魔神」に登場する武神像のモデルになった「挂甲(けいこう)の武人」をはじめ、バラエティーに富んだ埴輪(はにわ)が並ぶ九州国立博物館で開催中の特別展「はにわ」。古代の王の墓である古墳の頂上や周りに立て並べられていた往時の様子を想像... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》糸島の文化をけん引したレジェンドたち
昭和の時代、糸島の文化を力強くけん引していったレジェンドたちのそろい踏みを感じさせるような紙面を見つけ、思わず息をのんだ。1960(昭和35)年の糸島新聞新年号。1面には、生誕130年の企画展が伊都国歴史博物館で開かれている松永冠山の「雪の雷山... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》画家たちが魅せられた可也山
「この山はどこから見たら一ばん美しいだろうか」。元中学校美術教師の故小金丸輝さんが糸島新聞で40年前に連載した「ふるさと彩時記」で、可也山に触れた回がある。柔らかいタッチの可也山のスケッチに文章が添えられ、小金丸さんの深い郷土愛が感じ... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》江戸時代の国家づくりと糸島
「江戸のメディア王」と称される版元(出版業者)の蔦屋重三郎が主人公のNHK大河ドラマ「べらぼう 蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」。天下泰平、そして文化隆盛の江戸時代の雰囲気を感じ取りながら見ている。それにしても、どのように... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》渡り鳥と地球温暖化
鹿児島県の出水平野で冬を過ごしたツルの北帰行が始まった。繁殖地のシベリアや中国東北部を目指す2千~4千キロにもなる長旅。その途中、糸島に姿を見せる群れもあり、田園に降り立って羽を休める。ただ、敵に襲われたのか、ケガをしたツルが見られると... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》こんなに寒いのに立春
こんなに寒いのに、暦の上ではもう春だ。立春を迎えたとはいえ、強烈な寒気の流れ込みで、とても「春立つ」日とはなっていない。ただ、通勤中、うっすらと雪化粧した田園風景を目にしながら車を走らせていると、どこか春を感じさせてくれるものに出合えな... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》神仏習合しのばせる七福神めぐり
年が明けてから、冬の京都の旅に出かけた。新春に巡拝すると、功徳が大きいとされる七福神めぐりをした。巡礼先は京都市と宇治市にある七つの社寺。全国各地にある七福神めぐりの中でも最古とされ「都七福神めぐり」と呼ばれている。その一つ、福禄寿(ふ... -
【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》紙の魅力を追求する本
巳(み)年を迎え、自宅の居間の壁に飾っているアートポスターをじっくり見た。描かれているのは7匹のヘビ。黄と赤、青に塗り分けられた7匹は、まるで逆立ちでもするかのように体を絡ませながら宙に上げ、その先の尾を四方八方に広げている。白い小枝が...