糸島新聞
1917(大正6)年創刊

毎週木曜日発行 購読料 1カ月 900円(税込)1部 225円(税込)
糸島新聞社
福岡県糸島市前原東1-8-17
TEL:092-322-2220
FAX:092-324-5115
itoshin@blue.ocn.ne.jp

ニュース
News List

家族を思うように支援を 糸島在住のUさん

2022.04.15

Uさんが住んでいたウクライナ西部の街(Uさん提供)住んでいたアパートの窓からの風景。「他の街の同じような平和な街並みはすでに破壊されてしまいました」

その街で桜が咲く古い街並。「桜の開花時期にはウクライナ全土から多くの人が訪れました」

 2月24日、ロシア国民の8割が支持するプーチン大統領は、国際法違反かつ民間人を標的にした虐殺も伴うウクライナ侵攻を始めた。国内外へ避難した人は1000万人を超えた。侵攻前の同国人口は4200万人、4人に1人が、雪が舞う寒空の下で避難生活を強いられている。その大半が、お年寄りと女性と子どもたち。

 ロシア軍が去ったキーウ近郊では、多くの民間人の亡骸(なきがら)が路上に放置されていた。拷問後の殺害、後ろ手に縛り後頭部を撃つ、地雷を仕掛けられた遺体もあった。ロシア兵は民家に押し入り略奪や殺害におよぶ。

 糸島市在住の60カ国1300人強の外国人には、ウクライナ人も含まれる。

 ウクライナ国籍のUさんは40代の男性。ご家族のことも考え名前は伏せるが、2008年に来日し、翌年奥さんと上の子も来日。下の子は日本で生まれた。2018年からは糸島で暮らし、子どもたちは糸島の学校で学んでいる。5年以上、国に帰っていない。

 Uさんに話を聞いた。

 Q、今回の侵攻について?

 「多くのウクライナ人は、2014年にロシアがクリミアとウクライナ東部で始めた戦争の新たな段階だと感じている」「ロシアがそうすることを皆知っていたし、そうならないことを願っていた」「ロシアは、学校や病院など、ウクライナのいたる所を爆撃し、民間人も殺している。多くの街で電気、暖房、水道が破壊された」「6万人の避難民を受け入れた、糸島市と同規模の市もある」「ロシア軍は臆病者でウクライナの兵士ではなく、子どもや女性と闘うことを選んでいる」

 Q、今後、どうなる?

 「ウクライナ人は『戦争が終わったら』ではなく、『ウクライナが勝ったら』と話している。ロシアはウクライナとすべてのウクライナ人を滅ぼそうとしていて、私たちに残された選択肢は『死ぬか、勝つか』しかないからだ」「ウクライナが戦うことで、祖国そして全世界を、隣人や自国民にさえ自由を与えない国から解放したい。この戦争は、自由対植民地主義、平等対不平等、未来対過去の戦争だ」だからこそ「すべての民主主義国とその国民にウクライナを支援してほしい」。

Q、国に残るご家族は?

「父と姉とその3人の子どもに加え、多くの親戚が残っている。西部なので、今は毎日ネットで話ができるが、いつ切断されるのか?不安だ」

 Q、糸島や日本からの支援について?

「糸島市や福岡県、日本政府、日本の多くの皆さんが物心両面で支援してくれていることに、心から感謝している。世界中の人々の支援によって、ウクライナ人は将来の復興への希望を持つことができる。支援により、希望の灯は灯り続ける。これからもできるだけの支援をお願いしたい」

 Q、糸島の人に伝えたい事は?

 「多くの日本の人が『ご家族は無事ですか?』と心配してくれ、大変ありがたいと思います。しかし、それは私たちにとって一番大事なことではありません。ロシアの爆弾で亡くなった多くの子どもは私の子ども、ロシアの銃弾で倒れた老人は私の親、ロシアの戦車に殺された女性は私の妹、国を守って死んだ兵士は私の弟です。私たちウクライナ国民はこの戦いで、一つの体であり、一つの家族なのです。糸島や日本の皆さんには、どうか自分の家族だけでなく、他人も大切に思ってください。周りの人たちも助け、支えてあげてください」

糸島市役所の玄関には、ウクライナ救援金の募金箱が5月31日まで置かれ、ネットなどでも多くの組織が支援を呼び掛けている。

ニュース一覧