糸島新聞
1917(大正6)年創刊

毎週木曜日発行 購読料 1カ月 900円(税込)1部 225円(税込)
糸島新聞社
福岡県糸島市前原東1-8-17
TEL:092-322-2220
FAX:092-324-5115
itoshin@blue.ocn.ne.jp

ニュース
News List

糸島の木を土に帰そう 剪定枝の再利用進む

2021.01.1

チップが山積みになっている樹木剪定枝仮置き場

グレードアップしたよか堆肥くんの試作品と古藤さん

 糸島市シルバー人材センターとJA糸島がタッグを組み、市内の家庭の庭木などを剪定(せんてい)した後に出る枝葉を、土壌改良材「よか堆肥くん」の原料として再利用する取り組みを始めた。糸島の木をふるさとの土に帰す試みとして注目される。

 同センターは年間約1300軒の住宅で剪定作業を請け負っており、会員延べ7千人が携わっている。庭のマキの木などを刈り込んだ後に出る枝葉などは、1年間で約300立方㍍(約100㌧)にもなる。
剪定後の枝葉は、糸島市東の樹木剪定枝仮置き場に運んで細断。高さ約2㍍の木の板で3方を囲んだ〝チップ置き場〟に野積みしているが、長期間積み上げたままにしていると発酵が進んで熱を持ち、発火する危険があった。

 3、4年に1回、事業系の一般廃棄物として業者にチップの処理を依頼してきたが、費用がかかるため、同センターの洞孝文事務局長が、土壌改良材などの商品開発を手掛けるJA糸島経済部長補佐の古藤俊二さんに「資源化できないか」と相談。

 古藤さんは、2017年の九州北部豪雨で発生した流木を再利用した「よか堆肥くん」を開発した経験から、よか堆肥くんの原料に同センターのチップを使うことを考案。チップは佐賀県の肥料会社が買い取り、県内の食品工場の製造過程で発生する食品の残りかすや竹炭などと混ぜ合わせる。

 古藤さんによると、チップの発酵期間を従来の3カ月から半年間と倍にすることで熟成を進め、またしっかりとふるいに掛けて選別することで、「土になじむスピードが速い、土に優しい堆肥に仕上げた」という。グレードアップした「よか堆肥くん」(40㍑、税込み440円)は、1月から販売開始予定。

 また糸島産のカキ殻石灰「シーライム」と、地元の社会福祉施設で作る、枯れた竹の竹炭をブレンドした石灰肥料「バンブーライム」も1月に予定している。

 さらに、グレードアップしたよか堆肥くんとバンブーライムをベースにした培養土の発売も計画中。糸島弁で「仲間」という意味の「どし」から取り、「どし養土くん」と名付ける予定だ。

 「糸島の大地で育った木をごみとして処理するのではなく、土に帰して花や野菜を育てることは、糸島らしい循環型社会の構築であり、素晴らしいこと」と古藤さん。同センターの三嶋俊蔵理事長は「糸島のご家庭から出た剪定枝が、安全・安心な堆肥として糸島の土に帰ることになり、環境保全に貢献できることは、シルバーの剪定会員の誇りにもなる」と語っていた。

ニュース一覧