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地道な取り組み続く 糸島の松林保全活動

2021.05.21

現在の幣の浜の様子

 糸島市志摩の幣の浜などを襲った深刻な松枯れ被害を克服し、白砂青松の風景を取り戻そうと、地元の住民団体や企業などが、地道な保全活動を続けている。

 江戸時代に福岡藩が植えた松などの海岸林は、海からの潮風や砂などの被害から長く人々の暮らしを守ってきた。

 しかし2010年から、体長1㍉ほどのマツノザイセンチュウが松の幹に入り込み、松が枯れる「マツ材線虫病」が爆発的に増え、12年までの3年間で市内全体の4分の1ほどに当たる約5万本が枯れる被害に遭った。

 市は14年、松林を保護するためにアダプト事業をスタート。地元団体や企業など計7団体が〝里親〟となり、区画割りした国有林と市管理の松林で年数回、下草刈りや松葉をきれいに取り除いたり、マツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリの幼虫が潜む可能性がある松の枝を拾ったりと手入れし、松枯れが広がるのを防いできた。

 市農林水産課によると、松枯れ被害は18年に民有林で81本(国有林244本)まで減ったが、19年は138本(同563本)、20年は169本(同448本)と再び増えており、「夏場の高温などの影響があるのではないか」としている。

 深江校区振興協議会の「深江の自然と環境を守る会」(古藤宏泰委員長)は8日、同市二丈の深江海岸で39回目となる海岸清掃を予定していたが、新型コロナ感染防止の観点から、急きょ活動を中止した。

 同校区では、深江の松林に「ふかまつ君」の愛称を付け、11年から年数回の清掃活動を続けている。20年までに地元の住民や小中学生だけでなく、企業や団体など延べ1万586人が参加。

 守る会によると、新型コロナの影響で昨年も5月と6月の活動を取りやめたが、松枯れの被害は出なかったという。古藤委員長は「ふかまつ君は防風林として、なくてはならない深江の生命線。今回の活動はやむなく中止したが、11年目となる今年も、地域の皆さんの協力を得ながら、末永く松林を守っていきたい」と語っていた。

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