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再エネ導入戦略を策定/糸島市
2022.05.20

糸島市が描く再エネの将来ビジョン
糸島市は、脱炭素化の「先行地域」となるべく、再生可能エネルギー(再エネ)の導入や省エネ対策などを進め、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」実現に向けた市地域再生可能エネルギー導入戦略(=ロードマップ)を策定した。
国は地球温暖化対策として、温室効果ガスの排出量を「30年までに13年度比で46%削減」「50年までに実質ゼロ」にするという目標を示している。
市が今年1月に定めた地域再生可能エネルギー導入戦略では、電気代などエネルギー代金として計144億円(2015年)が域外に流出しており、「エネルギーの地産地消が求められる」と課題を挙げる。
一方、小水力などの再エネや水素など、「多様な地域エネルギー資源やポテンシャルが存在する」と高く評価している。
将来目指す姿として、住宅・建物のゼロエミッション(CO2排出ゼロ)化+再エネ自家消費▽電気自動車への切り替えなどモビリティの低炭素化▽地域全体での電力需給調整▽水素などカーボンニュートラルなガスの利用促進―など、6つの施策を掲げる。
具体的な目標として、政府目標を基に、30年までに温室効果ガスの排出量を26%削減するシナリオ①、46%削減するシナリオ②▽50年までに80%以上削減するシナリオ①、実質ゼロとするシナリオ②―を設定=グラフ参照。
50年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするには、19年の約4倍の太陽光発電を導入する必要があり、約34万6千㌧のCO2削減を見込む。
市環境政策課は「本年度以降に市内企業やエネルギー供給会社、学術研究機関など産学官のメンバーで構成する協議会を立ち上げ、施策の実証・実装に向けた検討を開始したい」としている。
また農漁村や観光地、学研都市、ベッドタウン、離島などのあらゆる顔を持っている糸島市を、同戦略は「日本の縮図」として位置づける。同課は「脱炭素への道のりは長いが、日本の縮図である糸島市が脱炭素の先行地域になることで、脱炭素社会の実現につながれば」と意気込む。
当面、太陽光発電設備などの普及を促進することで将来の再エネ主力電源化を目指し、エネルギーの地産地消への取り組みを進めるとしている。