コラム まち角

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 「忙」という漢字。忙しくしていると「心を亡くしてしまう」というのが、この漢字の成り立ちと聞いたことがある。幸せな生活を送るには、体と心の休養が欠かせない。ユダヤ教には、金曜日の日没から土曜日の日没まで「何の仕事もしてはならない」という戒律がある▼「シャバット」と呼ばれる安息日で、イスラエルでは小売店や飲食店はほとんどが閉じ、バスなどの公共交通機関も止まる。静まり返った安息日を、人々はどのように過ごすのだろうか。現地で暮らす日本人のエッセーを読むと、電気のスイッチを入れることさえ、労働とみなされ、厳格なユダヤ教徒は携帯電話を使用しないという▼安息日には火を使った調理も控えなければならず、金曜の晩と土曜の食事は事前に用意しておく。特に金曜日は豪華な料理が並び、家族や親戚が集って食卓を囲むという。家族だんらんを楽しんだ後、土曜日はお祈りをしたり、聖書を読んだりしながら、自分の内面を見つめ直して過ごすのが一般的とされる▼6日働いたら、1日は何もしない。「やらなければならない」ということを、安息日だけは手放し、ゆったりと本質的なことを考える時間に充てる。「何もしない」が自身を幸福にするのにつながっているという。「シャバットがユダヤ人を守ってきた」。こんな言い方があるほど、安息は人生を送る上でとても大切だ▼今年のゴールデンウイークは、平日の2日間を休むと、9連休が可能。仕事、家事、勉強…。さまざまなことから解放され、日ごろ頑張っている自分に、どうか黄金の休みを贈ってください。

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1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

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