糸島市志摩師吉のギャラリー 「英のれん」
民家解体で引き取る人がいなかったり、長年押し入れに眠ったままになっていたりした、ひな人形900体以上を美しく飾りつけた「第7回雛(ひな)祭り」が、糸島市志摩師吉のギャラリー「英(はな)のれん」で開かれている。3月31日まで。
「英のれん」は建設会社「HANABUSA」(武久勉社長)が運営し、展示を担当しているのはオーナーの武久英子さん。古民家の解体に伴い家主から引き取ったものや、「娘が嫁いだのでもう飾らない」と人から譲り受けたものを、英子さんが絵の具などを使いきれいに修復。期間限定で一般公開している。
100体以上のひな人形が並ぶ豪華絢爛(けんらん)な11段飾りをはじめ、大正末期から平成までのさまざまな顔立ちをした人形が、古民家のあちらこちらに華やかに並ぶ。羽子板や晴れ着、英子さん手作りのつるし飾り「さげもん」なども趣ある調度品とともに飾られ、県内外から訪れる来場者を楽しませている。
今でも人形を譲り受け、年々数は増え続けているが、英子さんは約2カ月かけて一人で飾りつけ。「住宅事情でひな人形を飾れない家も多いが、薄れていく日本の伝統文化を守りたい」と話す英子さん。明るく華やかなところに飾ってこそ「おひな様もいい表情になる」と温かな眼差しで人形を見つめる。
「皆さんに見ていただいて、写真を撮られたり“きれいかぁ”と言われたりするのが人形にとっては一番。人形に癒やされ、パワーをもらってください」と来場を呼び掛ける。