「望東尼の雑煮」現代に

志摩望東会が講座  アワビ入りで豪華

 福岡藩の勤王派に対する弾圧事件で幕末、姫島(糸島市)に流された女流歌人、野村望東尼(ぼうとうに)が正月に味わった雑煮を現代風にアレンジして楽しむ講座が7日、同市志摩の引津コミュニティセンターで開かれた。糸島を拠点に活躍する料理研究家、佐藤彰子さんが講師を務め、アワビや寒ブリなど豪華な地元食材を使った雑煮づくりを教えた。

雑煮づくりをする参加者たち
だしの取り方のコツを教える佐藤さん(右)
盛り付けをする参加者たち

 講座は志摩望東会(松月よし子会長)の主催で、市内外の約20人が参加した。望東尼は10カ月、姫島で獄中生活を送ったが、そのときの様子については家族に宛てた手紙に書き残している。島の人が正月、望東尼に差し入れた雑煮についての記述もあり、姫島の魚介類のほか、シイタケやサトイモ、京菜などの具材を列記し、ぜいたくな一品だったことが分かる。

雑煮づくりに使う豪華な食材1
雑煮づくりに使う豪華な食材2

 佐藤さんは母親が姫島の出身で、講座では、姫島で現在食べられている雑煮について親戚から聞いた話なども参考にして具材を選定。姫島ではサワラを使う家もあることからサワラの切り身を加え、ナマコの薄切りも添え、食感に変化を持たせた。「だしの調和を大切にした」という佐藤さんは、煮干しや昆布、干しシイタケを使っただしの取り方について、バランスのとれた風味にするためのコツを教えた。

望東尼の雑煮

 雑煮が出来上がると、参加者は、差し入れられた伝統野菜の芥屋かぶの漬け物とともに、まろやかな味わいの雑煮を楽しんだ。この日は、望東尼研究家で同会特別顧問の谷川佳枝子さんも参加。「獄舎から一歩も出られない日々を送っていた望東尼は、この雑煮で慰められたと思う。島の人との人間関係がしっかり築かれていた」と当時に思いをはせた。

 姫島行政区長の須田正人さんも姿を見せ「雑煮を食べていると、島の人たちの優しい気持ちを感じることができた」。佐藤さんは「こうした料理づくりを通し、地元の歴史を次の世代に伝えていきたい」と、料理研究の広がりに手ごたえを感じていた。

Youtubeでも動画を配信しています。
①材料紹介 https://youtu.be/DC5ndL_vfkc
②だし取り https://youtu.be/nwLxe85YPfs
➂盛り付け https://youtu.be/2OIdPnj7z2M
④つゆ入れ https://youtu.be/H7XjBVZudcM
⑤出来上がった豪華な雑煮 https://youtu.be/C1gjJ-_lWHI

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この記事を書いた人

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