糸島市人口10万4000人突破へ

市誕生以来最多/外国人居住者も増加

 糸島市の人口が昨年10月末時点で10万3,830人となり、2010年の市誕生以来最多となったことが分かった。第二次糸島市長期総合計画(21年度から30年度までの10年間)で設定されている将来人口10万4千人にあと170人にまで迫り、市は独自の人口推計により、30年度時点の人口を10万6千人と見込んでいる。

2010年から23年末までの糸島市の人口の推移(各年3月末、23年のみ12月末)

 市の1月末時点の人口は、10万3,823人。市の人口増に向けた施策としては、市泊土地区画整理組合が21年から進める土地区画整理事業(同市泊)がある。九州大学伊都キャンパスの南側に位置し、区画面積は約11ヘクタール。計画人口は約800人(約250世帯)。

 131区画の住宅用地のうち、昨年5月から第1期分64区画をハウスメーカーより販売開始。今年5月ごろに第2期分66区画、同年10月ごろには第3期分の残り1区画を販売予定。今年のうちに居住を開始し、25年度末に事業が完了する予定。

 また同市志摩師吉や同市池田など、民間主導による住宅開発も活発で、宅地造成などに必要な県の開発許可に関する工事完了公告は、22年1月から23年12月までに451戸にも上っている。

 他にも、子育て支援の充実として、より安心して子どもを産み、育てられる環境を整えるため、出産後の母親に心身のケアや育児支援を行う産後ケア事業▽人口増による保育需要に対応するため、民間保育所新設に施設整備費の一部を補助▽今後、児童数の増加が見込まれる加布里小に今年度、「加布里2児童クラブ」を整備▽小学校や校区コミュニティセンターで放課後の児童を対象とした遊びや体験活動などを行う放課後子ども広場のモデル事業を南風小で実施(検証期間は昨年12月から今年6月まで)-などに取り組んでいる。

 人口維持に向けた施策としては、今後人口減少が進んでも、地域活動や伝統文化を継承し、持続可能な地域づくりが継続できるよう、人口減少地域である7校区の70行政区で、住民意見交換会や同地域に限定した転居相談会などを開催▽空き家の件数や老朽度などの実態調査(22年度実施)に基づき、空き家の市場流通の促進や、空き家予防策の強化-なども展開。

 働く場の確保として企業誘致にも力を入れており、市誕生からこれまでに、前原インターチェンジ北産業団地などに企業19社を誘致した。

 外国人居住者も増えており、データがある12年8月1日の571人から、今年1月末時点で1,848人と、1,277人増加。市は自治会加入案内の多言語化や日本語教室などの支援に向けて、異なる文化や価値観を持つ人たちが共に暮らす「多文化共生」を推進するための行動計画を策定(20年)するなど、外国人の暮らしやすさの創出にも力を入れている。

 市は「第二次市長期総合計画のスタートから3年余りで設定した将来人口に迫るほど人口が増えており、今後の土地区画整理事業計画のことも考えると、まだ伸び代があると思われる」としながら、「しかし、将来的には人口減少の時期が来ると予想されることから、単純に人口増加を目指すのではなく、豊かな自然環境など糸島の魅力を守りながら、未来にわたり持続可能なまちを目指していく」としている。

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