【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》

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テレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の一作目が放送されて今年で50年。膨大なエネルギーを砲身に溜め込み一気に発射する波動砲、宇宙空間のひずみを利用し瞬間移動するワープ…。無限の宇宙を舞台にした壮大なSF作品は当時、小学生だった少年にとっても斬新で、日曜夜の放送が待ち遠しかった▼物語の時代設定は2199年。異星人のガミラス帝国から遊星爆弾による無差別攻撃を受け、地球は放射能に汚染されていた。人類は地下都市を建設して抗戦するが、放射能汚染の進行で滅亡のときが迫っていた。こうした中、イスカンダルという星から「放射能除去装置」を受け取りに来るようメッセージが届く▼ガミラス帝国は、どうして地球を攻撃したのか。帝国のあるガミラス星は星としての寿命が尽きかけ、人々は地球に移住しようとしていたのだ。だが、かなわなかった。地球を救うため、イスカンダルへ向かうヤマトは、ガミラス軍と何度も死闘を繰り広げた末、ガミラス星を滅ぼしてしまう▼戦いとは何なのか。ヤマトは、地球の人々が生き残るために戦った。だが、戦いは敗者を生み出す。そして、敗者は生き続けることすらできなかった。主人公のヤマトの戦士は、廃墟が広がるガミラス星を見つめ、戦ったことをひどく悔やむ。生きるためとはいえ、戦えば、悲劇は起きる。ともに幸せになる道はなかったのか▼パレスチナ自治区ガザ。イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まり4カ月。現地からの報道によると、ガザ側の死傷・行方不明者は10万人以上という。「子どもたちの墓場になりつつある」。グテーレス国連事務総長は昨年11月にこう語った。しなければならないのは子どもさえ巻き添えにする戦いではなく、ともに生きる道を探ることではないか。戦いに幸せはない。

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