昭和の糸島#450

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長糸の朝日園で茶摘み  昭和36年4月

 前原町長糸本の茶園「朝日園」で4月26日、一番茶の茶摘みが行われた。当日は小雨が降っていたが、糸農高の女子生徒数十人が応援に駆け付け、順調に作業は進んだ。

 この年の一番茶の生産は約1125キロ(300貫)を糸農高に仕上げを依頼しており、約190キロ(50貫)の新茶ができると見込まれている。

 朝日園は昭和30年(1955)、製材業を営んでいた古川さんが家業を息子さんに譲り、単身でクヌギなどの雑木の山林を開墾し、茶畑を造成、栽培に乗り出した。

 お茶の栽培技術は、八女郡羽犬塚町(現在の筑後市羽犬塚)にある県の農業試験場に通って身に付けた。茶畑の肥料は山で刈り取った雑草を充てるなど、独自の工夫も加えて面積を広げ、5年後の昭和35年には65アールの立派な茶園となった。

 摘んだ茶葉はすべて糸農高の加工場に送り、製品として仕上げられ、前原町の茶舗などで販売されている。県試験場もその品質の高さに驚くほどで、各地から視察に訪れている。

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