玄界灘を望む棚田が連なる糸島市二丈吉井の農家に生まれた吉住万葉さん。自然と戯れながら子ども時代を過ごし、今は子育てをしながら二丈赤米産直センターの店を明るく切り盛りしている。
そんな万葉さんの馴染み深い「春の味」といえば、今も昔も、祖母が育てる旬の野菜たちだ。冬場の主役だったネギや大根に、やがてツクシやフキノトウのほろ苦い春の風味が加わる。「とうが立った白菜は花をおひたしに。菜の花よりも柔らかくておいしいんですよ」。今秋スタートするNHKの連続テレビ小説「おむすび」の出演者や番組スタッフにも、ぜひ、糸島の旬の野菜を楽しんでもらいたいと願う。
四季折々の自然と共にある農村の食と暮らし。それを体験できるのが、棚田で毎年開催している米作りイベントだ。万葉さんは「お客さんとふれ合いながら農家のことを知ってもらえる貴重な機会。今年も海の見える棚田でお待ちしています!」と参加を広く呼びかけた。 (地域特派員・榮鮎子)
橋本環奈さん主演の「おむすび」の舞台の一つとなる糸島。全国に元気と笑顔を届けるドラマを、地域を挙げて応援するとともに、地域の人たちが糸島の豊かな自然や農林水産物、歴史・文化といった魅力をアピールする。