いつも一緒だった…「ありがとう」の思い胸に別れ
「今まで一緒にいてくれてありがとう」「6年間支えてくれてありがとう」「いろいろな思い出をありがとう」。糸島市二丈の深江小で、6月からの建て替え工事のため壊される予定の校舎の壁や床が、色とりどりのペンで書かれた児童たちのメッセージで埋まった。
同校では、1968年に建てられた校舎の一部改築や改造、トイレ改修工事の準備が進められている。「校舎解体に立ち会う機会は一生に一度のこと」として、各学級では事前に深江小の百年誌をひもとき「もしかしたらおじいちゃんおばあちゃんもお世話になったかもしれない校舎へ、56年間の代表としてみんなのありがとうを伝えてほしい」と取り組んだ。
職員室や事務室のある管理棟は全面建て替え、児童が主に過ごす教室棟は改造工事となる。来年10月に完成予定。
児童たちにとって思い出深いのが、1階昇降口横にあったカーペットにローテーブルが据えられていたふれあいホール。「毎月1年生から6年生までの誕生日の子を集めて誕生日給食をしたり、お客さんが来たらみんなで集まったりした場所だった」と惜しむ声もあるが、2階にあった図書室が移転し「昇降口に近く、本を楽しむ環境がより身近になる」。
思い出の教室を一つ一つ壁に書き出した5年の福島煌慈さんは「取り壊す予定の1階の研修室には、年度初めに新しい教科書をもらいに行っていたなぁ」と振り返り、「思い出の場所がなくなるのは悲しいけれど…壁に書くのは楽しい!」とペンを走らせた。
「4月19日の授業参観とPTA総会の際に、子どもたちのメッセージを見てもらえたら」と重冨紀子校長。「保護者の方もぜひ思い出にメッセージを残して」と呼びかける。