環境に配慮した竹林再生法
春の食材といえば、川土手に生えそろう「ツクシ」に野山の「ツワブキ」や「フキ」など。自然の中で、ゆっくり育ち大地の恵みを頂けるのも楽しみの一つ。
さらにもう一つ。私も旬を頂ける好きな食材が「タケノコ」。実家の低い裏山に上り、特に小雨が降った後に行くと、大地からニョキニョキと伸びたものから、足の裏を擦りながら探し出さないとわからないかわいいものなどタケノコ掘りは特に楽しいです。しかし、ところどころ、大きい穴があり、イノシシに先を越された跡を見つけると、「このヤロー」って思いながらも、探し出す能力には脱帽です。
タケノコの料理はおいしいのですが、一方で、竹は厄介な問題も抱えています。中山間地を中心に、特に高齢化や後継者がいないなどの理由で、畑や水田が耕作されなくなり荒れてくると、竹の繁殖が進んでいきます。一度荒れ果てた耕作放棄地を元のきれいな田畑に再生するには、相当なエネルギーを必要とします。
そこで、私も何か対策はないか、ヒントはないかと考えていました。
今回、孟宗竹にドリルで穴をあけ、試験的に生育抑制ができないか実験を行ってみました。この方法は、すでに非選択性除草剤を使って、竹の駆除に使われており、今回は効果比較試験を行うため、身近な素材を使って実験してみました。
素材は「海水」と、水に溶解させた「石灰窒素」、「重曹」で、穴に注入してみました。まずは、いろいろとチャレンジするのが大切との思いで取り組んでいます。観察すると、効果が現れたり、変化がみられたりするものがあります。地域の社会問題にもなっている竹林放置、耕作放棄地などの問題。すぐには解決しませんが、私なりに研究を繰り返し、効果、コスト、作業性、環境などを十分考慮し、さらなる研究を積み重ねていきたいと思います。
皆さんも竹林再生のアイデアがありましたら、私のほうまで、ご一報いただくとありがたく思います。
(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)
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