【糸島市】農畜産物へ価格転嫁を

食の安全保障を宣言   —糸島農協—

 糸島農協の第62期通常総代会が6月27日、糸島市の同農協本店で開かれた=写真。農業生産資材価格の高止まりによる経営の圧迫、国内農畜産物への価格転嫁が進まない状況を踏まえ、JAグループとして政府・与党に対し、食料安全保障の強化に向けた基本農政の確立を求め、適正な価格形成の実現に向けて「地産地消」をはじめ、JAグループで取り組む「国産国消」を通じた消費者の理解醸成を促す取り組みを強力に展開するとした特別宣言を採択した。

 山﨑重俊組合長は、25年ぶりに「食料・農業・農村基本法」の改正が行われたことに触れ「いかに政策に反映させるかが大事」と訴えた。来賓の月形祐二市長は、「国がコストを農産物価格に転嫁するとしたのは大きな進歩。農業者の努力を適正に、価格に反映する、それが食料の安全保障につながっていくと認識している。ともに努力をしていきたい」とあいさつした。

 総代会では、5議案を提出。2023年度の事業報告では、農畜産物全体の販売品取扱高が約106億1,639万円の実績が報告された。また、農業をめぐる厳しい情勢の中でも、全国麦作共励会で農林水産大臣賞受賞、同女性部の食品ロス削減に向けた取り組みが「みんなのSDGs賞」を受賞など、各組織がそれぞれに活躍している様子も報告された。

 本年度は、3カ年の中期経営計画の最終年度であり、次期中期経営計画の策定年度となっており、営農経済事業の成長、効率化の具体化を進める。議案は全て可決された。

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