糸島市でブロッコリー農家を営む良川達則さんは昨年、前原中学校で「ブロッコリー先生」を務めた。市内の小中学校で実施されている「いとしま学」の一環で、農業を選択した1年生約30人にブロッコリーを育てる授業を行った。
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苗を植えたのは9月の暑い時期。1,000本もの苗を1本1本、丁寧に手で植えた。その後の追肥など、生育に応じた作業は天候や授業時間の都合で一緒にできないこともあったが、良川さんは「自然が相手だからね」と落ち着いた様子。草取りをしながら大切に育てたブロッコリーの収穫体験まで行った。
「植える時は大変だったと思いますが、その苦労が収穫という喜びに結びつくことを、子どもたちに感じてほしい」と良川さんは語る。
良川さん自身の母校である前原中には1年生の三男大槻くんも在籍し、「いとしま学」では六つの分野から農業を選択。NHK連続テレビ小説「おむすび」では、主人公の結が農作業を手伝い、笑顔を見せる家族の姿も描かれたが、良川さんも「息子がよう来たなーと思った」とうれしそうに顔をほころばせていた。
(地域特派員・柳詰紘子)
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