夏至が近づくと、朝の光を取り込む障子の明るさで目が覚める。6月21日の夏至、糸島での日の出は午前5時過ぎ、日の入りは午後7時半過ぎ。冬至と比べると、昼間は4時間半も長い。この差が生まれるのは、地球の回転軸の地軸が傾いているためだ▼斜めになった地球儀でおなじみのように、地球が太陽の周りを公転する回転軸に対し、地軸は23.4度傾いている。このため、地球の公転とともに、太陽が空を通る高さが1年を通して変化する。北半球では、夏至の日に太陽が最も高いところを通る。好天であれば、正午ごろ外に出ると、太陽がほぼ真上から照り、自身の影がとても短いことを実感できる▼実は、この地軸の傾きがあるからこそ、多様な生態系がつくられている。傾きがゼロだったら、どんな地球になるだろうか。赤道付近は、太陽がいつも真上近くを通り一年中猛暑。中緯度は、春や秋のような日が続くが、夏や冬はない。北極・南極付近は、太陽の光の角度が常に低く、氷に閉ざされたまま。四季がない地球では、多様な生態系にはならない▼地軸の傾きが90度、つまり地球が横倒しで自転し、太陽の周りを回ったら、どんな現象が起きるのか。北極・南極付近は半年間、昼間が続いた後、半年間はずっと夜。極暑と極寒の極端な気候となる。現実に横倒しで太陽を回る惑星がある。地軸の傾きが98度の天王星。この星の北極・南極付近は、昼間が42年間、そして夜も同じ長さで続く▼地球の地軸の傾きは四季を生み、地球全体に生き物が存在できる環境をつくっており、まさに奇跡といえる。ほかにも、生命誕生に結び付く奇跡がある。水のすべてが凍ったり蒸発したりせずに、広大な海を保っていられる太陽との距離、そして宇宙から降り注ぐ有害な宇宙線をブロックする磁場。地球の壮大なシステムを調べて感じるのは、さまざまな環境の絶妙なバランスによって、生命を宿す惑星が成り立っていることだ。ただ、自然の一部でしかない人間の活動が突出すると、そのバランスは乱れる。それを胸に刻んでおかなければならない。
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