オクラとエンサイの栽培法
梅雨の季節。先週は、梅雨の多湿から作物を守るための早めの対策として、排水性の向上やカルシウム追肥で株を強くすることなどを紹介しました。今回は、梅雨明けから猛暑が予想される真夏にかけての作物栽培について取り上げます。高温乾燥や熱帯夜など厳しい生育環境の影響で、急激に野菜類の出荷が減少する中、夏場でも結構強い野菜のオクラとエンサイの栽培法を説明します。私も出遅れながら、梅雨の合間をぬってチャレンジしました。
まずは、種子の形態。オクラとエンサイはともに硬い殻に包まれた「硬実種子」。よって、種皮が硬く水を弾くため、そのままでまくと発芽しにくい性質があります。栽培前には、一晩水に浸すなどの「吸水処理」を行うことで発芽率を大幅に高めることができます。しかし、処理後、種子が多くて余ったり、大雨でまけなかったりすると、処理後の種子は保存方法などが難しく再利用しにくくなります。
そのため、今回は別の方法で発芽率を向上させるために、空ペットボトルに種子と荒砂を入れ軽くシェイクし、表皮に軽く傷つけ、水分を吸収しやすくするスカリフィケーション法を利用しました。高倍率のルーペで確認すると、確かに種皮が傷ついています。

本来は、何も手を施さず、そのまま、袋から出した状態で、種まきをするのが一番と思いますが、どちらの方法も発芽率が80%前後ですので、少しでも発芽が良くなればと思っております。その後、疎植栽培として株間を広めの55センチ間隔で種まき。
また、ともに嫌光性種子で、種子に光が当たると発芽が抑制されやすい性質なので、種まきも地表面から1~2センチと深めに種をまきました。まき終わった後、この時期のポイントとして二つ。梅雨時期でもあり、長く雨が降り続くと、地表面が硬くなりやすくなり、発芽不良を起こしたり、発芽後の生育に重要な酸素の供給が抑制されたりする可能性があります。
ですから、種まき後の地表面にワラを置いたり、もみ殻をまいたりすることで、降雨に対する緩衝材となり、地表面が硬くなりにくくなります。私は、麦ワラを敷きました。

二つ目は、この時期のじかまきは強い降雨だけでなく、土壌多湿による根腐なども懸念されます。症状がひどい場合、立枯れ病やネグサレ病など重要病害によって欠株が発生するかもしれません。よって、万が一の場合を想定し、数ポット、予備苗として育苗することをおすすめします。JAや園芸店などでの苗の流通は後半の時期になっていますので、もし、種が余っていたらまいておいてください。育苗した苗は遊んでいるプランターなどでも栽培できます。

何事も「種をまく」という行為は、未来の可能性や努力、愛情を象徴する素晴らしいテーマで、ただ野菜を育てることだけでなく、私は人生や学びにおいて、心に深く響く言葉と思っています。これからも、皆さんとともに、たくさんの種をまいていきたいと思います。
(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)
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