越冬させた作物のリボベジ
今回は、新たに挑戦しているリボベジ(リボーンベジタブル)について紹介します。一般的には、ニンジンやダイコンなどの葉と根の上部を切り落とし、普段なら捨ててしまうヘタや根、芯などを水につけて再栽培し収穫を楽しむエコな方法のことを言います。代表的なのがカットしたネギの根の部分を水に漬けておくと、新葉が出てきて、ちょっとした薬味になります。野菜の流通が少なくなるシーズンでは、重宝な栽培方法です。
しかし、私がチャレンジしているリボベジは、ちょっと違います。野菜が冬を越す「越年性」(二年草)の性質と、再び育つ「再生力」を活(い)かした方法です。
まずはピーマン。本来、多年草の植物で、日本の冬の寒さで枯れてしまうため一年草として扱われますが、室内に入れるなどして温度管理(15度以上)をすれば、冬越しができ、2年目以降も実を収穫することができます。
私も昨年4月、肥料試験のため、大きめのプランターでピーマンを育て、長くたくさん収穫を楽しめました。その後、気温が下がり、11月下旬には、葉がどんどん落ち始め、もう生育は無理かなと思い、整理しようとしたところ、プランターから引き抜くには、結構力が必要でした。もしかしたら、強い根が冬を越すかもしれないと思い、大きな木の下で越冬させました。ビニールなどの保温資材での被覆はしませんでしたが、条件が良かったのか、5月から再度、新葉や花が咲き始めました。


次に、ブロッコリー。一般的に一年草(または秋まきの越年草)として分類され、多年草ではありません。秋に種をまき、冬を越させ、春の花蕾(からい)を収穫します。花蕾を収穫せず、放置していると、芯が伸び、花をたくさんつけ、種子が形成されました。こちらも整理しようとすると、根がなかなか抜けない。上部を切り取るだけで、再生できるかもしれないと思いチャレンジ。すると、大きい茎から、新芽が成長しています。


これまでピーマンとブロッコリーは収穫を終えると、次の野菜の仕込みのため処分していました。今回、越年させた野菜に、どのような処方をすれば、旺盛な生育を促すことができるのか研究を始めています。「根の強さを最大限に引き出すには」「再生力を促す肥料」など寒い冬を耐え抜いた野菜だからこそ、研究の価値は高いと考えています。
ただし、リスクもあります。越年中、害虫により、病害の元凶、ウイルスを媒介されていないかなど病害虫に対応しないと、周辺のプロの生産者に迷惑をかけることになりかねませんし、今は元気でもどこかで衰退してしまうかもしれません。枯れて朽ちていく環境を乗り越えた野菜のリボベジ。今後も機会を設け、生育状況をレポートさせていただきます。
(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)
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