14年連続で最高額更新
糸島市へのふるさと納税の今年度の寄付額が、昨年12月末の時点で昨年度の20億9千万円を超え、過去最高となることが分かった。14年連続で最高額を更新しており、市経営戦略部企画秘書課は「寄付者のニーズに対応できるよう、登録事業者と返礼品をさらに充実させたのがよかったのでは」「寄付者の目に留まるよう、紹介ページの見直しやプロが撮影した画像に差し替えるなど、仲介サイトの魅力あるページ作りを強化した」と分析している。
市のふるさと納税は、1市2町(前原市、志摩町、二丈町)が合併した2010年にスタート。特典としてエコバッグを贈呈していた初年度の寄付額は、286万円だった。
15年、ふるさと納税を仲介するポータルサイト「ふるぽ・ふるさとチョイス」を開設。17年に見直しを行い、「さとふる」や「楽天ふるさと納税」を加え、5つのサイトを運用している。
返礼品の数は、22年度の3180品(事業者数282社)から23年度は4094品(同313社)と、1年間で914品も増加。返礼品の約8割を肉類や魚介類、スイーツなどの食料品が占める。「一度にたくさんの返礼品が届いても食べきれない。定期的に届くと便利」という利用者の声を受け、昨年度930品まで強化した定期便を、今年度は1419品まで489品増やすなど充実を図った。
23年度の寄付元の内訳は、関東が46・7%(うち、東京都24・2%)、次いで関西が19・1%、以下中部13・2%、九州・沖縄9・6%と続いている。返礼品の人気第1位は「訳あり糸島の酒と醤油の辛子明太子1キロ」、2位は「博多華味鳥の水炊きセット」、3位は「糸島手作りハムおすすめギフトセット」となっている。
同課によると、最近の傾向として「10万円以上の寄付単価が高い返礼品も求められるようになってきた。果物や米、牡蠣(かき)、鍋、お歳暮などの季節ごとの返礼品が求められており、鍋やハム、あまおう、卵の定期便が人気」と説明。
利用者からは「食材が豊富で質が高いものが多く、応援したいと思い寄付している」「定期便のお米がとてもおいしい。合わせてご飯が食べられる器も申し込んだが、作家の思いが伝わってくるとても良いものだった」「毎年お気に入りのスイーツをリピートしています」などの声が寄せられている。
市は「糸島市でふるさと納税に参加している事業者はどんどん増えてはいるが、まだ全体の1割程度。ふるさと納税の経済効果をより多くの事業者に波及させるため、もっと多く事業者に参加していただくとともに、事業者間のネットワークを強化して、糸島全体の取り組みとして糸島の良い物をもっと全国にPRしていきたい」としている。