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小富士小に リズム・コート 昭和31年5月
志摩村の小富士小学校に県下でも珍しいコートが完成し、児童たちはこぞって愛用している。
運動場の一隅にある50坪ほどのくぼんだ場所で、周囲を取り囲むように一段高い場所には芝生が張られ、天然の観覧席のようになっている。地形のせいで声や音は聞こえやすく、音楽を使った授業などには最適だといい、リズム・コートと名付けられた。
このほか、地域の人たちのバレーボールやバスケットボール、テニスにも使われている。
同小は海に近く、敷地のほとんどは砂地となっている。運動場部分には、地元青年団が奉仕作業で赤土を大量に運んで体育授業がしやすいように改良した。リズム・コートのある場所は改良工事が施されていないため、雨が降ってもすぐに地面に吸い込んでしまい、排水溝も不要だという。
先生たちは「運動場なら音楽遊戯の際は拡声器が必要だが、リズム・コートならポータブルの蓄音機でレコードを回すだけでいい」と評判だった。