ドクター古藤の園芸塾Vol.45【10/20号掲載】

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海藻のようなイシクラゲ

 「この前、久しぶりに雨の降ったけん、庭の様子ば見に行ったら、なんのよかろう。ツルって滑って、こけろうした。危なかったぁ」と、近所のおじちゃんが話していました。


 「どうして、滑ったとねぇ」と問うと、「庭の一部の広か所にワカメみたいなヌルっとしたとの見えたけん、何やろうと近づいたら、滑ったたいねっ。俊ちゃん、ありゃなんなっと」。


 「こけんでよかったね。あれは、イシクラゲたい」。ワカメのようなもので、見たことがある人は、どうして陸地に海草があるのか、不思議に思った方も多いのではないでしょうか。その正体はイシクラゲとよばれる気正性(水のない場所にすむ)の藍藻類です。雨が少ない時期などは、土の色と同じで目立たないのですが、降雨などで膨張するとワカメ状となって降って湧いたように出現してきます。強い乾燥耐性があり、一度乾燥しても再び水分を得ると代謝を回復する、しぶとい生き物です。

乾燥した状態から水分を含み始めたイシクラゲ


 ところが、中国や沖縄では昔から食用されていたということで、驚きです。また、日陰で土壌が乾きにくかったり、土壌が固く透水性が悪かったりして常にじめじめした状態の場所では、発生が多いようです。


 そのような場所では、分類は違いますが、タイ類に属するゼニゴケも繁殖します。イシクラゲのような藍藻類やゼニゴケのようなタイ類は植物に対し、病原性は示しませんが、藻類が発生しやすい湿潤な環境は、植物に害をおよぼす、灰色カビなどの糸状菌や軟腐病など細菌にとっても好適な環境といえるので、なるべく発生が促進される環境をつくりださないことが重要です。排水や通気性を高くすることを心がけてください

抑制に厄介なゼニゴケ


 とはいっても簡単に土を耕したりすることもできません。ここはコケ類対策の専用薬剤もありますが、有機的処方をご紹介いたします。


 藍藻類もタイ類も自然豊かな山奥などには、あまり存在いたしません。低地で、ゼニゴケはpHが4・5近くの酸性土壌で、イシクラゲは酸性であろうが、アルカリ土壌であろうが、土が固く水はけがあまりよくない比較的栄養豊富な表土を好む性質をもっています。ゼニゴケの場合は、高アルカリ水酸化カルシウムの「消石灰」を散布すると、全体が黄変し、勢力が退化していきます。


 イシクラゲの場合は、重曹を10倍程度の濃さで散布すると、茶色くなりパリパリとなって退化してくれます。ゼニゴケにも利用できます。濃度の濃い重曹を散布することで、藻類、コケ類の細胞組織を壊すことができ、重曹は、人、環境にも優しく、安全に対処できるすぐれものです。

 土壌の水はけをよくし、通気性をたかめることが最も理のかなった対処かもしれませんね

ゼニゴケやイシクラゲに重曹10倍希釈液を散布すると抑制効果あり

(JA糸島経済部部長補佐、アグリマネージャー 古藤俊二

※糸島新聞紙面で、最新の連載記事を掲載しています。

古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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