輝き続ける糸島のため
糸島市で持続可能な開発目標(SDGs)に取り組む人たちを、小学生らでつくるSDGs探検隊が取材し、編集した動画を公開する「いとしまSDGs再発見プロジェクト事業」の成果発表会が21日、同市役所市民ホールで開かれた。2年目となる本年度は、豊かな自然が残りながら、少子高齢化が深刻な中山間地域の現状を知り、地域をどう守り、もり立てていくのか、解決策を探った。
SDGs探検隊は、小学生から大学生までの17人。昨年9月の任命式後、11月にかけて市内の瑞梅寺地区と王丸地区に足を運んだ。
瑞梅寺地区では、地元住民の井上和雄さんから人口減少と高齢化が進む中、一つ一つの田んぼが狭いために農業用機械が入らず、草刈りや水路の維持など、人手不足が深刻なことを聞き、課題解決策としてヤギに草を食べさせる実験をしていることを紹介。
王丸地区では、若手農業者の谷口汰一さんを取材。谷口さんがタケノコ堀りや稲刈り体験を企画し、参加者に食のありがたみを感じてほしいと考えていることや、タケノコがよく育つためにまく堆肥は、米ぬかや牛ふんなどを再利用していることなどを教わった。
取材で撮影した映像を2カ月かけて13分ほどの動画に編集。隊員たちは「糸島の中山間地は高齢化や人口減少などの課題はあるものの、それぞれが知恵を出し合って持続可能な地域をつくっていこうと努力していることを学ぶことができた」と振り返り、最後に「自然豊かな中山間地は、糸島の魅力を生み出す源であり、私たちはこの大好きな糸島が50年後も、100年後も今のような素敵なまちであり続けられるよう、自分たちができる形で関わっていきたい」と締めくくった。
発表会で前原西中1年の松永佳歩さんは、瑞梅寺地区で高齢者サロンを取材したことが一番印象に残っていると話し、「サロンを開くことで地域のつながりやお年寄りの生きがいづくりができていることを知った。今度はこんにゃくづくりを教えてほしい」と振り返り、サロン代表の井上稔信さんは「蛇口をひねれば当たり前のように水がでるが、その蛇口の向こうに私たちが守る山があり、田んぼがあることに思いをはせてほしい」と語った。
動画を見終わった月形祐二市長は「糸島はSDGs未来都市にも国から選定されている。糸島がこれからも持続可能なまちであり続けるために、一緒に頑張っていきましょう」と話した。