《糸島八景》結界の先に神々の世界/夫婦岩

アーティスト 大川 博

糸島市志摩桜井の二見ヶ浦にある夫婦岩。清浄さを顕(あらわ)す白い鳥居は、俗世と神々の世界を分ける結界である。この先にある二つの大きな岩に注連縄(しめなわ)がかけられている。イザナミとイザナギの依(よ)り代である。

払暁、月読尊(つくよみのみこと)を顕すお月様は西の空に沈んでいく。そして、朝日に照らされバラ色に染め上がった空を渡り鳥の群れが飛んでいく。

和魂の心を顕すかのような雲一つない青空に凪(な)いだ海。そして、雲が湧き出し、荒魂が登場したかのように雲が空を覆い、海は荒れる。人々はただ鎮まることを祈ることしかできない。やがて「天使の階段」のような雲間から光がさし、穏やかな海となっていく。

天照大神(あまてらすおおみかみ)を顕す太陽は西の空に沈んでいく。そして、空は紫色と桃色のグラデーションに染め上がる黄昏どきを迎える。満天を星が煌(きら)めく夜になり、一日が終わる。

白い鳥居を「額縁」にみたて、長い年月の間変わらず、人々の暮らしを見守ってきた夫婦岩。そして、人の心のように、時の移ろいとともに表情を変える空と海。そんな光景に神々のすまう世界を感じ、この絵を描きました。

     ◇

大阪で育ち、京都で学び、東京で働く。縁あって、糸島の風景を描く。アート(視覚)、オーディオ(聴覚)、アロマ(嗅覚)を融合化し、没入感をより深める作品を、毎年個展で発表。

Youtubeで動画公開!

上記11枚の絵で、構成しています。
クラシックのBGMと共にお楽しみください。
https://youtu.be/KmlVB9WAfdA

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この記事を書いた人

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