【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》こんなに寒いのに立春

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こんなに寒いのに、暦の上ではもう春だ。立春を迎えたとはいえ、強烈な寒気の流れ込みで、とても「春立つ」日とはなっていない。ただ、通勤中、うっすらと雪化粧した田園風景を目にしながら車を走らせていると、どこか春を感じさせてくれるものに出合えないかという気持ちに、ふとなってくる▼冬本番だからこそ、春が待ち遠しい。立春という言葉は、こうした季節を先取りしたいとの思いを呼び起こし、その響きは心を浮き立たせてくれる。ただ、立春の季節感が実感とかけ離れているのには、どうしたわけがあるのだろうか▼立春は二十四節気の一つ。二十四節気は、1年を春夏秋冬の四つの季節に分け、さらにそれぞれを六つに分けたものだ。昼夜の長さがほぼ同じになる春分の日を中心にした3カ月を春としていることから、立春はその1カ月半前。二十四節気では、1年で最も寒い時期が春の始まりとなる。ちなみに、欧米では、春は春分の日、夏は夏至、秋は秋分の日、冬は冬至からと、四季を区切っているという▼立春は、二十四節気の一番目に当たり、昔は正月と同じように1年の始まりとされていたという。そして、立春の前日は節分。季節が冬から春に変わる日であるとともに、大みそかでもあった。新しい年を迎えるのを前に、邪気を払い、福を呼び込みたいとの願いを込め、行うようになったのが豆まきという▼身近なところで小さな春を見つけた。オフィスに明るく差し込んでくる日差しだ。冬至の頃と比べると、日の光は力強くなってきた。日だまりにいると、思いのほか暖かい。極東ロシアでは、気温の上昇に先行し、日差しが輝きを増していくこれからの時期を「光の春」と呼んでいるという。太陽が高度を上げ、昼間の時間が長くなっていくにつれ、冬の間に休眠していた草木は目覚め、芽吹いていく。季節のうつろいを通し、こうした大自然のもつリズムを感じ取ってみませんか。

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