株式会社へいせい㊦ 住宅部次長 潤 和也さん(47)
このコーナーは、九州大学のインターン生が糸島エリアで活動している企業や団体を取材し、その魅力を紹介します。芸術工学府修士2年、北垣玲音が前回に引き続き、持続可能なまちを目指し、糸島市の総合建設業「へいせい」が大型分譲地としてまちづくりをした「オリーブガーデン糸島」(糸島市高田)について、同社住宅部次長、潤和也さん(47)にお話をうかがいました。

-「共感でつながるまち」とするため、これまでの住宅販売とは異なるやり方があったそうですね。
「オリーブガーデン糸島は、世代が代わっても、共感する人が住み続けられる持続可能な暮らしのまちにするということを根本に据えています。弊社のスタッフは、お客様の要望に寄り添うスタイルを大切にしていますが、今回の分譲では『このまちづくりのコンセプトに共感いただけた方のみへの販売』としました。戸惑いもありましたが、スタッフは自分たちなりのやり方を見つけ、実現につなげてくれました」
-オリーブガーデン糸島では、持続可能な暮らしのまちにするため、コミュニティーづくりに力を入れているそうですね。具体的にどのような取り組みをされていますか。
「分譲が始まった翌月の2020年2月に、『まち開きイベント』を行い、そこから本格的なコミュニティーの運営がスタートしました。その後も、住民参加の取り組みとして、ガーデン内の一角で共同管理している菜園の看板をつくるワークショップなどのイベントを行っています。また、九州大学の学生が教える『寺子屋』のような学びの場も用意しています」
-コミュニティーの運営体制について教えてください。また、分譲した企業として、どのように関わられているのでしょうか。
「コミュニティーの運営は、弊社の主導で動き出しましたが、現在は徐々に住民の皆さまへと移行している段階です。住民の中から3人の役員が選ばれ、その方たちが運営をリードしてくれています。ただ、弊社はこれからも関わり続けていきます。『困ったときは、まず、へいせいに相談しよう』と、思っていただけるように、このまちと付き合い続け、安心感のあるコミュニティーづくりに向け、しっかりとサポートしていきます」

取材を終えて
暮らしの現在だけでなく、まちの持続可能性を見据え、世代交代までも視野に入れた俯瞰(ふかん)的なまちづくり。その姿勢からは、へいせいだからこそ実現できる、独自のまちづくりの在り方が感じられました。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)