百々手祭り
糸島市二丈深江の淀川地区で1月25日、伝統行事「淀川の百々手祭り」が営まれた。神事の締めくくりは、満腹になるまで白飯をひたすら平らげる「大飯食らい」。男性参加者たちは、よそわれるがままの山盛りご飯を次々と平らげ、五穀豊穣と厄除けを願った。
祭りは、淀川天神社で厄払いの弓を放つ「弓射」と、公民館でご飯を食べ進める「大飯食らい」の2部構成。170年以上前から続いているとされ、糸島市の無形民俗文化財に指定されている。
大飯ぐらいのため用意された白飯は6升。膳には、くじらと春菊の甘辛煮、焼き魚、みそ汁などが並んだ。伝統の献立をできる限り守りながら、神事の当番を担う世帯が準備を進める。

最初の1杯は穏やかに始まるが、2杯目からは山盛りご飯が次々とよそわれる。給仕役は「忖度(そんたく)したらいかんよ」「笑顔がなかね」と声をかけながら、おかわりを促す。なごやかな談笑の中、なかなか終わらない攻防が続いた。
このユニークな祭りには「今年も食に困らず、健やかに過ごせるように」との願いが込められている。近年は物価高に加え、気温の上昇や異常気象の影響で、米や野菜の出来も左右されやすい。だからこそ、その祈りは今の暮らしの中でも、色あせない意味を持ち続けている。
(地域特派員・平田紀子)
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)
