CO₂削減 基準上回る
国の「SDGs未来都市」に選定されている糸島市が、持続可能なまちづくりに向けたさまざまな取り組みを進めている。環境や省エネに配慮した建築物に対する国の認証「ZEB Ready」(ゼブ・レディ)を取得している糸島市の新庁舎もそのひとつで、昨年度の新庁舎の二酸化炭素(CO2)排出削減量は、基準値と比べて年間約506トンに達するなど、想定以上の成果を上げている。

市公共施設管理課がまとめた昨年度の運用実績データによると、電気などのエネルギー消費量は、基準となる建物と比較し、59%も削減。21年の設計段階で目標とした削減率56%(年間約480トン削減)を3ポイント上回る結果となった。
二酸化炭素506トンの削減は、スギの木約3万6千本が1年間に吸収する二酸化炭素の量に相当する。一般家庭の基準では、約250世帯が1年間に排出する電力量を、市庁舎1施設で節約した計算になる。
新庁舎は21年、50%以上のエネルギー削減を達成する「ZEB Ready」の認証を取得。ZEBとは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略で、断熱性の向上や高効率設備の導入、太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用により、建物の年間エネルギー消費量を実質ゼロにする考え方。
24年1月に開庁した新庁舎は、外気温の影響を最小限に抑えるため、壁や屋根に断熱材が施され、窓には特殊な金属膜で被覆した複層ガラスを採用。また全館をLED照明とし、人感センサーによる自動消灯を組み合わせることで、照明関連のエネルギーを大幅に削減している。
さらに、建物全体のエネルギー使用を一元管理するBEMS(ビルエネルギー管理システム)を導入。職員の出勤に合わせた空調の立ち上げや、残業時の部分運転など、実際の運用に即したきめ細かな調整が行われている。
市が23年に選定されたSDGs未来都市とは、SDGsの理念に沿った取り組みを進める自治体を国が選定する制度で、経済・社会・環境の三側面の統合的な向上を目指すモデル地域として位置づけられる。今回の新庁舎での実績は、その取り組みを裏付ける具体的な一歩となる。
市は「市庁舎の省エネルギー化に続き、市内の他の公共施設についても、太陽光発電設備やLEDなどの省エネルギー設備の設置を進め、地域全体での脱炭素化を進めていく」としている。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)
