【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.165 4/17号掲載)

ドクター古藤アイキャッチ

九条太ネギとキクを手入れ

 今回は、会社の肥料試験などを兼ねた私の農園情報をお伝えいたします。4月は、朝の冷え込みが感じられので、少し厚着をして農園作業開始すると、アッという間に気温が上昇し、汗がにじみ出ます。ただ、新緑の中の爽やかな風と小鳥のさえずりは、何とも言えない満足感が得られますね。

 とはいっても仕事の合間の1,500坪の農場管理は、たいへんです。1周約300メートルの畦(あぜ)の草刈り。今の時期は草刈りの難敵「カラスノエンドウ」が伸び、柔らかくフワフワして、草刈り機にまとわりつきます。また、草の先端部には、アブラムシがびっしり発生していますので、早めに対処しておかないと、農園の作物にも影響を及ぼす可能性があります。しかし、じっと草を観察すると、アブラムシの天敵、テントウムシが一生懸命捕食してくれています。自然のバランスをコントロールしてくれているのかなと感心させられます。

 さて、農園では、昨年6月上旬に苗定植した九条太ネギとキクの手入れと、サトイモの種イモ植え付けです。九条太ネギは、定植時は3本程度小さな苗を植え付け。今では直径1センチ前後の株が10本ほどに分ケツ成長。生育途中は、カットして収穫したり、肥料の散布などの試験を繰り返したりし、順調に生育していましたが、冬の低温(約10℃以下)に一定期間さらされたネギは、春の暖かさと長日条件(昼が長くなること)を感じて「花を咲かせよう」とネギ坊主が発生します。このまま放置すると、ネギ坊主(種子の形成)に養分が集中し、株が弱ってしまうので、いっきに株元からカットします。すると、また、柔らかい新芽が伸び始め、再生します。また、肥料などの効果試験ができます。

とう立ち(ネギ坊主)したネギ
ネギ坊主をカットしたネギ

 一方、小菊は、キク科の代表的な多年草で、一度植えると毎年秋に花を咲かせた後も、寒さに強く、冬は地上部が枯れても「冬至芽」と呼ばれる地中の芽で越冬し、春にまた芽吹く、たいへん丈夫な植物です。秋に咲き終わった茎葉が枯れ込んでいるので、剪定(せんてい)ばさみでカット。ネギ同様、肥料などを与え、生育試験を行います。

古い茎葉が枯れたキク
茎葉整理後のキク

 さらに農園では、サトイモ栽培による肥料試験を開始。会社スタッフによる、種イモの植え付け。実は、新入社員の体験研修も兼ねているので、若い社員から「古藤さん、種イモの深さはどのくらいですか」「種イモはどっちを上向きに植えたらいいですか」と質問。彼も初めての経験。ちょっとぬかるんで、足元の悪い中で、悪戦苦闘。生産者の栽培の苦労や、作物への愛情などが理解でき、いい経験をしていると思います。 今後、肥料施用試験などを行い、生育の経過観察。晩秋には収穫を迎え、収量調査を行います。今後、農園では、エダマメ(大豆)・スイートコーン・サツマイモを栽培し、肥料試験を行う予定です。昨年は、早い梅雨明けとその後、連日35度を超える猛暑日が続きました。

サトイモ種イモの植え付け

 気象庁の3カ月予報(2026年3月時点)によると、九州北部地方は4月から6月にかけて平均気温が高くなる確率が70%と、高温傾向が予想されているようです。今後、どのような手立てをしていくと、近年の栽培課題、高温乾燥に耐える作物ができるのか研究を行い、皆様によい報告ができればと農園管理に取り組みます。  

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

糸島新聞ホームページに地域密着情報満載

※糸島新聞紙面で、最新の連載記事を掲載しています。

古藤 俊二さん
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

目次