悪臭、害虫発生抑制へ設備転換促
自宅敷地内に埋設したタンク内で、家庭から出る「生活排水」すべてを浄化できる合併処理浄化槽。糸島市では、川や海の水質保全、生活環境の保全のため、浄化槽設置補助金に加えて今年4月から、①し尿のみを処理する「単独処理浄化槽」の撤去工事②「くみ取り便槽」の撤去工事③合併処理浄化槽への切り替えにおける配管設置工事に係る費用の一部を補助する制度の運用を開始した。
水路を通り、川や海に流す生活排水(し尿と台所、お風呂、洗濯等の家庭から出る全ての排水)は、1日1人当たり約250リットルといわれる。環境省によると、日常生活で使用した水の、汚れの度合いを表す指標の一つBODは、生活排水のうち、台所からのものが全体の40パーセントを占める。続いて、し尿由来が30パーセント、残りはお風呂や洗濯からのものとなる。し尿処理だけに対応した「単独処理浄化槽」では、台所、お風呂、洗濯等の排水をそのまま川や海に流すことになり、自然環境に大きな負担をかけるため、合併処理浄化槽への転換が強く求められている。
切り替えを行った人からは「そのまま側溝に流していた時の悪臭や害虫の発生が抑えられ、家の周りの環境が良くなった」と喜びの声も。市担当者は「ぜひこの補助金を活用し、合併処理浄化槽への切り替えをしてもらいたい」と呼び掛ける。
補助対象は、市が行う下水道事業等の区域を除く地域。単独処理浄化槽の撤去費用最大12万円、くみ取り便槽の撤去費用最大9万円、配管設置工事費用最大30万円が補助される。なお、要件など詳細は問い合わせを。