【声の野鳥だより】2

庭先で見られる冬鳥/シロハラ

撮影:野鳥愛好家の國友靖彦さん

 シロハラはスズメ目の中では大型で、体長は24センチ。ツグミの仲間です。秋になると、日本の温暖な地域に渡ってくる「冬鳥」と呼ばれる鳥です。オスの体色は、頭部が灰褐色、背と翼、腰は茶褐色、胸から腹は淡褐色、胸の側面と脇がオリーブ色。メスは全体にオスより淡い色をしています。
 シロハラは落葉樹の林を好んで生活し、落ち葉をくちばしでつつき返したりして好物のミミズや昆虫、時には地面に落ちている木の実も食べています。


 鳴き声は、やや鋭く「キョッキョッキョッ」や「チャッチャッチャッ」と鳴いています。これらは、繁殖期以外の鳴き声で「地鳴き」と呼ばれています。繁殖期の鳴き声である「さえずり」は、オスが「キョロン、キョロン、ツリリ」とやわらかくて良い声をしています。
 さえずりは、糸島地方ではほとんど耳にすることはありませんが、晩春の北国へと渡る直前のころ、泉川河口の弁天橋付近のクリークで木の枝に止まってさえずるシロハラの姿と声に接したことがあります。
 体内に繁殖ホルモンが湧き出てきて思わずさえずったのでしょう。春早いころ、林の中の食べ物を食べ尽くしたシロハラが、人家の庭先や公園の草地で餌を探す姿を見る機会があります。全体に灰色っぽくてスズメの2倍ほどもある鳥がいたらシロハラかも知れません。

シロハラの鳴き声

シロハラさえずり
シロハラの地鳴き「キョッキョッ」
シロハラの地鳴き「チャッチャッ」

(野鳥録音家・田中良介)糸島新聞・2023年4月21日付

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