シクラメン/「葉組み」で花持ち良く

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葉を上げ液肥を縁周りに施すと、株が生き生きとしてく

【ドクター古藤の園芸塾】 4

葉を上げ液肥を縁周りに施すと、株が生き生きとしてくる

 日ごと寒くなり、クリスマスが近づくこの時期に、お部屋の中の明るい色の鉢花は、心を温かくしてくれますね。
 赤いつぼみが魅力的なポインセチア、乾燥に強く育てやすいシャコバサボテンなどさまざまな鉢花が園芸店の軒先を飾っています。なかでも一番人気は、多年草で、上手に育てれば毎年繰り返し美しい花を咲かせてくれるシクラメンでしょう。大きな鉢をお部屋で育てるタイプや玄関先の寄せ植えに活躍するガーデンシクラメンなど楽しみ方も幅が広いのが特徴です。
 さて、そのシクラメン。購入時はきれいな姿をしていますが、時間の経過とともに株自体は生長し、葉は大きくなる一方、養分を作る役目を終えて黄色くなった葉や枯れる花も出るなど株全体の姿も乱れてきます。よく見ると葉が中心に寄り、中心の新芽や花芽のところが日陰になっていることがあります。中心部にそのまま日照が確保できないと新芽や花芽の形成が鈍化していき、もったいない状態になります。
 そこで、長く美しく楽しむために、二つのこつがあります。


 一つは株の中心部に日が当たるようにする「葉組み作業」。やり方はごく簡単。中心に寄っている上の葉を、下の葉の下に編むように折りこんでいくだけです。シクラメンの葉は丈夫なので、作業自体難しくありません。葉よりも外側に花茎が伸びているときは、花茎が折れないように注意し、花茎を中心に葉が外側になるよう動かします。葉組み作業は、草姿が乱れる2~3週間ごとに実施。定期的に行なうと花持ちが良くなります。


 二つ目は、栄養補給方法。シクラメンの中心部は球根が形成され、中心部がへこんだ状態です。上部から水やりすると、へこんだ部分に水分がたまり腐敗しやすくなります。なので、鉢の下部をみると、底から水を吸い上げる底面給水の穴があり、補水はそこから行なうのが一般的です。しかし、半月に一度の程度で、鉢の外部の葉を持ち上げ、鉢の内側周りに液体肥料を流してあげると、鉢の中の老廃物を流しだし、反対に新鮮な酸素と栄養が補給され、根の働きが活性し、株自体が生き生きしてきます。


 お薦めの液体肥料は、このコーナーでもよく紹介する、JA糸島アグリオリジナル有機液肥「エコアース」300倍希釈液が安定した効果を発揮してくれます。
 ちょっとしたお手入れで、長く花が咲いてくれると、愛着も格段に高まります。今年の冬、シクラメンのお花を楽しんではいかがですか?


(JA糸島経済部部長補佐、アグリマネージャー 古藤俊二)糸島新聞・2022年12月9日付

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この記事を書いた人

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