昭和の糸島#429

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糸島一の大しめ縄   昭和35年8月

 志摩村桜井の海岸にある奇岩「二見ケ浦」は、与土妃宮の御神霊がこもっているとして、昔は黒田藩主によってしめ縄が張られ、毎年盛大な祭りが行われていたと伝わるが、道路も整備されておらず訪れる人もなく、時代とともに忘れ去られていた。


 ところが、近年になって桜井神社の氏子たちの中から「しめ縄掛けを復活させよう」との声が上がり、氏子をはじめとする有志たちで準備が進められることになった。


 8月7日早朝、17人の有志が与土妃宮に集まり身を清めて参拝した後、桜井の12の集落から集められた稲わらを使って長さ22メートル、直径30センチメートル、重さ80キロという、糸島では最長最大のしめ縄を作り上げ、海岸へと運ばれた。


 当日は大潮で、午後三時半の干潮時を利用して氏子たちが岩によじ登り、二時間半をかけて無事しめ縄を掛け渡した。


 関係者は「二見ケ浦が本来の姿を取り戻した」などと喜んだ。写真はしめ縄掛けが済んだ直後の二見ケ浦。海岸に鳥居が建てられる以前の写真である。

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