若手農業者の思い聞く

SDGs探検隊が取材

 持続可能な開発目標(SDGs)をキーワードに、自然と共存してきた糸島市の人たちの暮らしを子ども目線で見つめ直す「いとしまSDGs探検隊」のメンバー16人が1日、同市王丸の「王丸農園」を経営する若手農業者谷口汰一(だいち)さん(27)を取材し、竹林整備を手伝った=写真。


 谷口さんは高3のときに祖父の草刈りを手伝い、農作業の大変さを知った。「野球部で体力には自信があったのにめちゃくちゃきつくて、当時78歳だった祖父一人ではさせられないと思った」という。


 「誰も継がないなら俺がやる」と周囲の反対を押し切り、就農。現在は15ヘクタールで米と裏作で麦、6ヘクタールで大豆を生産しているほか、農園で3~4月にかけて、一般客向けにタケノコ掘り体験もしている。


 探検隊メンバーはこの日、タケノコ山に入って細い竹を切ったり、米ぬかや牛ふん、大豆かすなどを混合した堆肥をまいたりと、作業に汗を流した。


 谷口さんは、収穫した米を精米した際に出た米ぬかを堆肥に混ぜ、再利用していることなどを説明。隊員の「今後、挑戦したいことは」との問いには、「来年から少しずつ、枝豆などの野菜作りも始めたい。お客さんに種まきから収穫まで農作業を体験してもらい、食のありがたみについて考えるきっかけにしてほしい」と語った。


 探検隊は、同市の「いとしまSDGs再発見事業」の一環。2年目となる今年度は、小学生から大学生までの隊員が、人口減少や農林業の担い手不足に悩む中山間地域の課題を調べ、成果をより多くの人たちに見てもらえるよう動画に編集して公開する。


 作業を終えた糸島高の榊原未桜さん(15)は「捨てれば産業廃棄物になってしまう米ぬかや牛ふんを再利用して土に返すことは、環境にとてもいいことだと思った」と感心していた。

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