コラム まち角

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 永遠のピアノ・マン、ビリー・ジョエルが来年1月下旬、16年ぶりに来日公演する。来年で75歳となるビリーが東京ドームで開く一夜だけのライブ。知人からこの話を聞いたとき、30年近く前、福岡ドーム(現ペイペイドーム)で行われたビリーのコンサートを思い出した▼「なんて大きな会場なんだ」。大型ビジョンに映し出されたビリーは演奏の合間、福岡ドームに詰め掛けた3万人の観衆を見回しながら、とても幸せそうに笑みを浮かべた。大勢の人たちと心を一つにして過ごす楽しさ。コロナ前はごく自然な感覚としてあった。多くの人が集うことに、恐れを抱かせてきたコロナ禍の根深さをあらためて感じさせられた▼一方で、青春時代を共にしたビリーの数々の名曲が頭の中を流れ、懐かしさがこみあげてきた。帰宅すると早速、プロモーションビデオに見入った。最初に選んだ曲は「ピアノ・マン」。ビリーが米国ロサンゼルスのバーでピアノの弾き語りをして生計を立てていたころの実体験をもとに作った曲とされる▼ご存じの方も多いだろうが、この曲はビリーにとって初めてヒットした作品で、リリースは50年前。ビリーはピアノを弾きながら、バーに訪れる客や店員たちと気さくに交わり、にぎやかな店内では、いつしか、みんながビリーの演奏と共に愉快そうに歌声を上げている▼英語の歌詞の一部を意訳した。「だんだんと酔っぱらってきたビジネスマンたちのテーブル。そう、その通りだよ。彼らは孤独という酒を分かち合っているのさ。でも、一人で飲むよりはずっといい」。そして、ピアノの響きは「まるでカーニバル」とも。コロナの感染対策をしっかりと習慣づけながら、あの陽気さを取り戻していきたい。

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