納富輝子さん、農園立ち上げ
菓子作りに欠かせない香りの主役、バニラビーンズ。国内流通の97%を輸入に頼るこの食材の「糸島産」誕生に向け、着々と準備が進められている。
納富輝子さん(73)がラ・バニーユ二丈農園を立ち上げて取り組み、昨秋、糸島市二丈上深江のビニールハウスにバニラ苗100株を移植し、国産バニラの栽培に乗り出した。老舗洋菓子店の家業に長年携わるなか、供給不安や価格高騰を肌で感じ、「自分たちで作ろう」と一念発起した。

マダガスカル原産のバニラは蔓(つる)性の蘭(らん)の一種。花が咲くまでに約3年、開花は春の朝6時から正午までのわずか6時間しかない。綿棒で手作業の授粉が必要で、来年春がその初仕事だ。
秋にサヤインゲンのような実を収穫した後、発酵と乾燥を繰り返すこと約半年。干しぶどうのようにしわしわになるまで熟成させて、ようやく特有の甘く深い香りが生まれる。

蘭の一種であるため栽培環境が似ていることから、蘭農家への普及も考えている。蘭農家と連携して取り組みながら、「いつか糸島をバニラの里にしたい」。今日もハウスの温度と湿度を見守る納富さんのもとで、糸島発・国産バニラの夢が、着実に育っている。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)
ママトコラボ取材班 榮 鮎子
