【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.166 4/24号掲載)

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お薦めのミカン4種類

 ミカンは数ある果物の中でも、非常に人気の高いフルーツの一つ。近年行われた消費者の動向調査によりますと、最近1年間で購入した果物(家庭用)では4位。ちなみに1位はバナナ、2位はリンゴ、3位イチゴとなっており、上位を争っています。 ミカンの魅力としては「国産率の高さ」「おいしさ」「健康面」「日持ちの良さ」などが支持されているようです。

 そこで、今回はいくつかの品種をご紹介いたします。まず、品種数。国内にどのくらいの品種があるのでしょうか。例えば、佐賀県の「にじゅうまる」。大変おいしい中晩柑品種。栽培には正式な手続きが必要で、無許可栽培は種苗法違反となるなど、誰でも栽培できない品種があります。

 一方で、JAや園芸店、ホームセンターで販売されている一般的な苗は多岐にわたり、把握するのはなかなか難しいようです。ある研究機関によると、温州ミカンだけでも115種以上、中晩柑などでは80種以上があるようです。これにレモンやユズ、金柑など加えると相当な品種数になりますね。

 そこで、数ある品集数の中から、私の一押し品種をご紹介いたします。まずは「ブラッドオレンジ」。別名「タロッコ」や「モロ」とも呼ばれています。最大の特徴は、インパクトのある鮮やかな赤い果肉。コクのある濃厚な甘さとすっきりした酸味、そして芳醇(ほうじゅん)な香りをしています。他の品種ではなかなか味わえない感動があります。

ブラッドオレンジ(上)とクレメンティン

 柑橘類の中で唯一、ブラッドオレンジだけがアントシアニンを含んでいます。アントシアニンはポリフェノールの一種で、ブルーベリーで有名な抗酸化作用が注目されています。 次に「クレメンティン」。マンダリンの一種で、見た目は、小さな温州ミカンのような姿で、小さめです。果肉は身がしまっていて果汁が多く、甘みが強くてほどよい酸味もあるのが特徴です。ビタミンCなどの抗酸化物質が豊富に含まれていますので、免疫力強化、血管・肌の健康維持、ストレス緩和など、身体の維持に不可欠な役割を果たしていますね。また、むいた皮は、ドライピールのサシェ(香り袋)に使って、衣類の引き出しに入れ、香りを楽しむことができます。

 ちょっと高級な「不知火」。清見に中野3号ポンカンの花粉を交配した濃厚な甘味とジューシーな果汁、ほどよい酸味のバランスが抜群です。皮は厚めですが手でむきやすく、薄皮ごと食べられるのもおいしさの一端のようです。ただし、果皮が柔らく、傷みやすい傾向にあるので、早めに食べる必要があるようです。

はるか(左)と不知火

 最後に「はるか」。糸島市二丈の石井徳雄氏が自宅の庭で発見した日向夏(ニューサマーオレンジ)の偶発実生(種子親を超える特性を持った品種が偶然生まれること)として有名です。カットした途端広がる爽やかな香りとさっぱりした後味が、春の訪れを感じさせてくれます。黄色い果皮はレモンのイメージが強いことや、外皮の硬さやごつごつした手触りから、どうしても酸っぱそうなイメージを持たれがちですが、実際は全く逆で、酸味の少ないやさしい味わいは気温が上昇するこの時期には最高です。今回、数えきれないほどのミカン品種から、4品種ご紹介いたしました。

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

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古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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