【糸島市】新たな担い手定着 —16団体が「アダプト事業」—

松林維持

 海岸防災林として地域を守る松林。その維持管理を支える新たな担い手として、市民や企業が参加する「アダプト事業」が糸島市で定着しつつある。

 かつて地域住民が松葉や枝を燃料として採集するなどして松林を管理してきたが、家庭のエネルギー源がガスや電気に移行などの生活様式の変化にともない、管理の担い手は減少。人の手が入らなくなった松林では荒廃が進み、糸島市では2010年には大規模な松枯れ被害も深刻化した。こうした状況を受け、市は14年、市民や企業、地域団体などが参加する松林保全管理制度「アダプト事業」を導入した。

志摩の幣の浜の松林。手入れされ、すくすくと育つ松

 対象となるのは、志摩芥屋地区の国有林と、志摩野北地区、二丈・福井海岸の市有林約23.6ヘクタール。これらを33区画に分け、それぞれを「養子」に見立て、参加団体が「里親」として清掃や美化活動を担う仕組みだ。多様な主体が継続的に関わることで、地域全体で松林を守る体制づくりを目指している。

 現在は16団体が参加しており、20~30人規模の団体から、400人を超える大規模な活動まで広がっている。活動内容は、松葉や落ち枝、松ぼっくり拾いなどの清掃作業が中心。

 事業開始翌年の15年から継続して参加する西部電気工業(福岡市博多区)は、春と秋の年2回、福井海岸の約1ヘクタールを担当している。グループ会社の従業員にも参加を呼びかけ、年々参加者は増加。昨年は400人を超えた。同社の広報担当者は「継続して活動する中で、松林が美しく保たれていることを実感している。清掃後は景観もさらに良くなり、活動の意義を感じる。松林を清掃した後、糸島観光を楽しんで帰る人も多い」と話す。

 一方で、活動エリア全体の約4分の1では、現在も担い手が決まっていない区画が残る。市は新たな登録団体を募集しており、ほうきや土のう袋など作業用具の貸し出しも行っている。

 潮風が心地よい季節。松林に入り、松葉かきに汗を流してみてはいかがだろうか。
問い合わせは市水産林務課=092(332)2088。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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