【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》「鷹乃学習」の季節

まち角アイキャッチ

季節の移ろいや動植物、気象の変化を短い言葉で表した暦の七十二候。17日から22日は「鷹乃学習」。「たか すなわち わざをならう」と読む。タカのひなが独立して生きていけるよう親鳥から飛行や狩りの技を学ぶ季節なのだそうだ。ひなは急上昇や急降下、ホバリングといった高度な飛行を学び、空中で親鳥が放り投げた獲物をキャッチして狩りの技を磨く▼日本の代表的なタカであるオオタカの場合、産卵は4~5月、そして抱卵期が1カ月余り、ふ化してから巣立ちまでが40日ほどかかり、それから鷹乃学習の期間が始まる。親から完全に自立するのは8~9月になるという。実は「習」という文字は、鳥が羽ばたいて飛ぶ練習をするさまを表しているという。羽と白を組み合わせた会意文字。白は、日であるとの異説があり、ひなが日のもとで羽を動かし、繰り返し学んでいるとの意味があるとされる▼タカのように、ひなが親のもとを離れるのに半年近くもかかる鳥がいる一方で、抱卵から1カ月ほどで巣立つ鳥もいる。とても身近なツバメ。ひなは、羽毛が生えていない状態でふ化するため、自力で体温を保つことができず、最初は親鳥が巣の中でひなを温める。その体温は、哺乳類よりも高い約40度。この高い体温がひなの代謝を活性化し、摂取した栄養を素早く体の組織に変えることができるという▼ひなの成長とともに、親鳥による給餌はより頻繁となる。たんぱく質や脂質の豊富な昆虫を大量に与えられたひなは、ふ化したとき、わずか2グラムだった体重が20日ほどで10倍の20グラムと驚異的なスピードで成長し、親鳥とほぼ同じ大きさになるという▼人が親と同じ体重になるには十数年はかかる。鳥は、どうして、こんなに急成長する必要があるのだろうか。小さな鳥のひなは、ヘビやカラスなどの天敵に狙われやすく、巣の中でじっとしている期間をできるだけ短くするため、早く飛べるよう成長するのだという。給餌のため、街中を飛び回るツバメを見かけると、ひなたちが無事に巣立つことを願わずにはいられない。

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