市が構想 産学官民で啓発や産業創出
糸島市は、「免疫」をキーワードに市民の健康づくりにつながる活動を行う「いとしま免疫村」の取り組みを進めている。自然や農林水産物など市の豊かな地域資源を生かしながら、市民や九州大学の研究者、企業、行政など産学官民が連携し、健康への関心を高めるとともに、将来的には新たな商品やサービスの創出にもつなげることを目指す。

この取り組みは2022年度、市民の発想を基にスタート。24年度には、多種多様な腸内細菌の集まりである腸内フローラや発酵食品、免疫との関係を学ぶ講義やみそづくり体験など、九州大学や地元の事業所などとともに3回の健康づくり講座を実施し、生活習慣の見直しにつながる機会を提供してきた。25年3月には「いとしま免疫村構想」を策定し、推進を正式に決定。市民の免疫力を高め、健康寿命を延ばすことを目的に、健康づくり講座やイベントを展開していく予定だ。
一方大学側は、大学の知を市民に還元するとともに、糸島市と共に新たな健康社会の実現を目指したい考えで、取り組みへの協力を続けている。
この一環として2月15日には、九州大学大学院農学研究院の広瀬直人教授を講師に迎え、同市志摩の健康福祉センターふれあいで健康づくり講座「ヌメ活で免疫力アップ」が開かれ、35人が受講した。

広瀬教授は「メカブやオクラなど粘りのある食材を日常的に取り入れることで、腸内環境の改善や免疫機能の維持が期待できる」とし、ヌメヌメ成分の仕組みや働きについて説明。「海藻や野菜など複数の食品を組み合わせて食べることで、飽きずに食べられ、栄養の偏りも防ぐことができる。日々の食事にヌメ活を取り入れて、健康的な生活を始めてほしい」と呼びかけた。
参加者からは「加熱するとヌメヌメ食材の栄養は減るのか」「食べ過ぎると体に良くないのか」など質問が相次ぎ、活発な意見交換が行われた。また、糸島芥屋産の「ふともずく」を使ったスープの試食もあり、地元食材のおいしさを実感していた。
市の担当課は、健康への関心を高めることで、意識しなくても自然と健康的な生活ができる環境づくりを目指す「ゼロ次予防」の考え方に基づき、取り組みを進めていく方針。6月には「食」をテーマにした多世代参加型イベントを開催し、九州大学の公開講座、免疫関連の企業ブース、体験ブースなどを予定している。担当者は「免疫に着目した健康づくりをきっかけに、人や大学、企業がつながり、新しい研究やビジネスも生まれるコミュニティにしていきたい。楽しみながら参加できる機会を増やし、健康寿命の延伸につながれば」と話した。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)
