室温上昇 業者負担で改修へ
糸島市は4月27日の定例記者会見で、市庁舎の空調設備に設計上の不備があったと発表した。設計業務を受託した梓設計九州支社が、本社で再検証した結果、2階の吹き抜け部分で太陽光から受ける熱量を算出する熱負荷計算に入力ミスがあり、吹き抜け上部の熱気だまりへの検討も不足していたことが判明。近年の外気温上昇と複合的に作用し、2階フロアの室温上昇を招いていた。改修工事費など費用の全額は、同社が負担する。
2階フロアの設定温度は26度だが、2025年夏には28度を下回らない日が6日間あり、来庁者などから「暑い」との声が上がっていた。
不具合は庁舎完成直後の24年6月に表面化。風量を強くし送風温度を引き下げたところ、数値が改善したため、同社は設計計算書の再検証を行わずに翌年、再度確認することにしていた。
25年夏も状況は変わらず、市は完成2年点検に合わせて再調査を依頼。九州支社が計算書を精査したところ、11月下旬、吹き抜け部の窓ガラスを壁として誤入力していたことが判明した。窓ガラスと壁では太陽光から受ける熱量の計算が大きく異なり、実際の熱の流入を過小に見積もっていた。しかし九州支社は「計算上は1階に影響する誤りで、2階の暑さとは無関係」と判断し、市に報告しなかった。
報告がなされたのは約4カ月後の26年3月31日。市が改修設計を急ぐ必要から、九州支社が本社に応援を要請し、設計図書一式を送付。本社が初めて問題を把握し、コンピューター上で室内の温度や気流を再現するシミュレーション解析を行った結果、吹き抜け上部に想定を上回る熱気だまりが確認された。
梓設計は報告書で、入力誤りに加え、1階エントランスの風除室(二重扉の空間)から流入する高温空気の影響も考慮できていなかったと認め、社内の情報共有体制の不備を反省点に挙げた。4月3日に同社が費用全額負担を申し出、同7日に馬場貢副市長に謝罪した。
改修は、2階ロビー付近に個別エアコンを増設する方針。工事は土日や平日夕方以降に実施して窓口業務への影響を避け、7月下旬の完了を目指す。5月初旬に外部有識者が設計の妥当性を確認する手続きも、今回特別に設けた。完了後、真夏の冷房運転時に26度以下が維持されるかを検証し、8月以降に賠償額を確定。9月議会定例会に和解案を上程する予定。
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