【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.172(6/12号掲載)

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梅雨時期の高温多湿対策

 さて、本年の梅雨シーズンはどのようになるでしょうか。日本の季節の特徴でもある梅雨ですから、適度な降雨はしかたがありませんが、災害級の大雨はだけは、降らないように願いたいものです。気温を見ると、先月18日は糸島市で気温30.4度の真夏日。久留米市は34.4度、大分県日田市は35.3度の猛暑日。今後の気温や湿度、降雨量が気になります。

 昨年の九州北部地方の梅雨は、5月16日頃に始まって6月27日頃に明けるという異例の早さでシーズンを終えました。期間中の降水量は平年より少なめだったようですが、ダムの貯水率が高かったので、水不足の心配はなかったようです。昨年同様に降水量が少ないと、今年のダムの貯水率にも影響しそうな感じです。

 そんな不透明な中、作物にとっての梅雨は、日照不足に加え、土壌過湿などよって、生育が鈍化し、根をはじめ、茎葉も傷みやすい時期になります。その後、一転して梅雨明けの焼けつくような強い日射しと高温による猛暑は、梅雨の間、弱々しく育った野菜などにとっては過酷です。ですから、事前対策が必要です。

 まずはサトイモ。いくら高温多湿傾向な環境が好きな性質と言っても、畝間に湛水(たんすい)が続くと、根が傷み、いろんな病害を引き起こす原因となります。私の場合、マルチ栽培をしていますが、マルチを抑えている肩の部分の土が流れ落ち、畝溝に水が溜まりやすくなっています。なので、溝を少し立鍬(たちぐわ)で起こし、マルチの肩に寄せ、溝を切り、排水を促します

サトイモは梅雨前の溝上げで排水対策をする

 ネギ。乾燥には結構強い性質で、逆に過湿には特に弱い特徴を持っています。やはり、溝を整理し、余分な水分をはけるようにし、少しでも土壌過湿から守ってあげることが大切です。また、軟弱な生育傾向になります。カルシウム専用肥料(ホワイトカリウなど)を株元にまいて、細胞組織を強くしてあげるのも良い方法と言えます。

ネギは梅雨の多湿で弱る前、鶏ふんとカルシウム混合肥料で、株を強くする

 最後に、作物全般の生育ストレス悪化の緩和として最近、特に注目されているのが、「生物刺激剤」の施用。肥料や農薬などで改善できない生育の衰えを回復させると期待されています。既にいろんなメーカーから販売されており、徐々に認知度も高まっているようです。海藻や植物素材発酵由来など特徴はさまざま。私の会社も販売しており、試験農場で実証データの蓄積を行っております。

 ただし、与えるタイミングが重要で、例えば、生育の初期がいいのか、トマトなど収穫後がいいのか、弱った生育の時に与えて、どのくらい経過して効果が表れてくれるのか、エビデンス(根拠や裏付けなど)の蓄積が重要です。

 ただ、言えることは、異常高温や強乾燥など作物生育環境はさらに厳しくなっていくようです。何か作物に手助けをしてあげないと今のままでは、収量、品質などにおいても困難となっていくようです。私も試験を繰り返し、作物の生育を助けてあげたい気持ちでいっぱいです。

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

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古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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