【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.175(7/3号掲載)

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梅雨時期の病気とカビ

 先月4日に梅雨入りした九州北部。例年の梅雨明けは7月中旬で、梅雨明けが近くなると、雨量が増えてきますね。山林などでは、地盤が長雨などで緩んでいますので、十分な警戒が必要です。

 作物も、本来は、きらきらと輝く太陽の日射しが好きなのに、連日の曇天にムシムシとした湿気で、生育が鈍化しているようです。このような時、よく相談を受けるのが作物の病害。キュウリの葉が黄色く変色していく「べと病」や、ナスの葉に黒い斑点模様が出始める「黒枯病」、トマトの葉裏に灰色の小さなカビが見え出す「葉カビ病」、ネギの表面に灰色のカビが発生し始める「べと病」など。体力を失った作物は、病害菌にとっては好都合。日照不足で光合成機能が衰え、葉はシャキーとしていません。このような葉に悪玉菌のカビが着生すると、あっという間に病斑が拡大していきます。

多湿傾向になると多発しやすいネギのべと病

 そこで梅雨明けの生育を支えるために、対策を講じる必要があります。一般的には、市販の殺菌剤を所定の量の水で希釈し散布することで、病害の広がりを抑制してくれます。

 そのほか、繁り込んだ茎葉は、天気の良い日を選んで、摘葉、剪定(せんてい)してあげることで、通気性や採光性の向上になり、病害が嫌いな環境にしてあげると良いでしょう。また、重曹を使ってカビの繁殖を抑制したり、クエン酸などで直接、病原菌の細胞にダメージを与えたりするなどし、何らかのアクションを行ってください。

 私たちの生活空間も梅雨時期は、室内や洗濯物などが多湿になるとカビが発生しやすくなりますから、こまめな換気や除湿器などで、多湿にならないようにする必要がありますね。カビは「悪玉菌だ」と言われ、確かに人にも植物にも決して良い影響は与えてくれません。しかし、カビは、悪玉菌だけではありません。

 米ぬかに少し水分を補給し、ゆっくり発酵分解させた手作り肥料。つまり、ぼかし肥料は、カビの働きがないと土を肥やしたり、植物が吸収しやすい栄養源となったりはしにくいのです。

米ぬかの発酵を促す赤色酵母

 私も米ぬかや油かすなど、大量ではなく少量ずつカビの力を借りて、植物の成長に欠かせないない肥料を手作りし与えています。四季のある日本だからこそ、カビとは共存しなければなりませんね。

 私が好きなアルコール。ビール、日本酒、焼酎や好物の納豆などもカビ(微生物)の働きを借ることで、私たちの体を支えてくれています。菌の世界をいろんな角度から見ることができるのも、この梅雨の時期ならではないでしょうか。

 皆さんも、この梅雨を乗り切りながら、さらに厳しさが予測される夏本番に向け、準備を整えていきましょう。

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

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古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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