青い姿につぶらな目/ルリビタキ
ルリビタキはスズメ目ヒタキ科で体長は14センチ。ほぼスズメ大の野鳥です。
秋に九州の低山にやって来ますが、渡り鳥ではなく日本国内を季節によって移動する鳥で、漂鳥に分類されています。晩春から初夏に本州中部以北や北海道で繁殖し、北国の寒さを避けて秋から冬を暖かい地域に移動する習性を持つ鳥の一種です。
ルリビタキの特徴は、その名の通り、オスの頭から背中、尾が青色(瑠璃色)をしている美しい姿にあります。また、ヒタキ類に共通したポイントであるつぶらな丸い目もかわいく、その上、あまり人を怖がらず人の近くに姿を見せます。 ルリビタキのオスは岩や木の枝にとまって「ヒッチョロチョロチョロリ」などと愛らしくさえずります。繁殖期以外に出す地鳴きの声は「ヒッヒッヒッ」や「カッカッカ」という声を出します。この「ヒッヒッカッカッ」の「カッカッ」を昔の人は火打石を打つ「カチカチ」と聞きました。「火、火」と言って「カチカチ」と火打石を打つ。そこから「火を焚(た)く」→「火焚き」→「ヒタキ」と呼ぶようになったそうです。
紅葉が美しい季節。糸島でも、秋の低山の林の縁を散歩していると、意外と近くに青く美しいその姿と出合えるかもしれません。
ルリビタキの鳴き声
(野鳥録音家・田中良介)