【声の野鳥だより】4

里山の変化で生息減り/フクロウ

撮影:野鳥愛好家の國友靖彦さん

 フクロウ目フクロウ科で、体長は50センチ。糸島北部の低山と、南部の山の標高600メートル辺りにも生息しています。個人的には大好きな、糸島の自然のシンボルのような鳥です。
 猛禽(もうきん)類で夜行性。夜に活動してネズミやノウサギ、小鳥などを捕らえて食べます。こう書くと、とてもどう猛で怖い鳥のようですが、こうした生態とイメージに反して、鳴き声は「ホッホッホッ」や「ホーホー、ゴロッホ、ホーホー」と愛嬌(あいきょう)があります。

 生息数が多いのは北部の野北の山々ですが、南部の脊振山系の森でも鳴き声を聞くことがあります。しかし残念なことですが、フクロウが好む低山の里山の畑で耕作放棄が進み、あっという間に竹やぶになってしまう状況があちこちで見られます。竹やぶには、ネズミなどフクロウの餌となる小動物がすまないので、今後フクロウの生息数がジリジリと減っていくことが予想されます。
 もう一つの懸念はフクロウと同じ場所にすんでいるイノシシが増え、これもフクロウの生息環境を脅かしています。フクロウが繁殖期を迎える春先の夜や早朝に無人録音機を仕掛けてみると、フクロウの声の背後に必ずと言っていいほどイノシシの足音や鳴き声が聞こえます。フクロウの生活圏が狭まっていることを示す音に聞こえて心配しています。

フクロウの鳴き声

(野鳥録音家・田中良介)

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この記事を書いた人

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