障害者雇用支援促進を目指す
9月は障害者雇用支援月間。事業主のみならず、社会全体で障害者雇用の機運を醸成するとともに、障害者の職業的自立を支援する啓発活動が行われる。
障害者が共同でIT系業務に従事するオフィス「データワークラボITOSHIMA」が、糸島市前原東に開設された。三面に窓があり、明るく開放的なオフィスには、デスクとパソコンが整然と並ぶ。8月26日には、市内の四つの事業所から集まったメンバー約20人が、官公庁から受注したデータ入力作業に取り組んだ。入退室管理システムを使い、事業所ごとに自由に出入りする。

同市前原西の福祉作業所「ゆめいろ舎」の吉田瑞穂さん(52)は、週に3、4回の頻度で通い、約2時間パソコンに向かう日々。「明るく広々とした空間で、デスクも広く、集中して作業ができる」と充実した表情を見せ、「普段会うことのない他の作業所の方と会えるのもうれしい」と話す。
企業・官公庁と福祉事業所をつなぐNPO法人セルプセンター福岡(大牟田市)が、日本財団の助成を受けて6月末に、同オフィスを整備し、管理業務を行う。市内の障害者雇用促進と自立に向けた工賃の向上を目的とし、地域における新たな就労支援の場として期待される。
ディレクター業務を担当する同センターの澤井勇樹さん(33)は「2カ月で皆さんの作業スピードが大幅に向上した。今後は市や民間からの大型案件も受注していきたい」と意欲を示す。統括事業責任者の三善史博さん(44)も「セキュリティ対策が整ったこの施設なら、安心して仕事を請け負える」と話した。
先駆例としてセルプセンター福岡が取り組む、国立国会図書館の蔵書デジタル化プロジェクトでは、就労継続支援B型利用者の従来の時給が、大幅に上昇した。
三善さんは名称の「ラボ」に込めた思いを「どれだけの時間をかけると入力効率がどの程度上がるかなど、糸島での取り組みを数値化し、より高工賃な仕事の仕組みを他地域にも広めていきたい」と展望を語った。
