【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.138(9/26号掲載)

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秋冬定番野菜 ~ホウレンソウの育て方~

 月日が経つのが早く感じます。猛暑続きの長かった今年の夏。しかし、この時期になると、夜明けは遅くなり、夕暮れは極端に早くなっていくように思えます。今からの時期は、春に仕込んだサトイモやサツマイモ、ショウガなどの収穫も一緒になるので、生産者にとっては、大変忙しい時期となります。

 ところで、皆さん、秋冬野菜の仕込みは順調でしょうか? ダイコンやニンジン、ゴボウなどの根菜類。さらには苗を植え付けるキャベツ、ブロッコリー、ハクサイなどの葉菜類。待ったなし状態です。そんな中、ぜひ栽培していただきたいのが「寒締めホウレンソウ」。名のごとく、厳しい寒さになるほど、甘さを増す、おいしいホウレンソウです。

 低温に遭遇することで甘みが増し、ビタミンCやベータカロテンなどの栄養価が高まり、エグみが少なく、肉厚で甘みが強いのが特徴です。なぜ、甘くなるのか。それは寒さにさらされることで、ホウレンソウが凍結を防ぐためにでんぷんを糖に変えるためです。糖度が上がり甘みが増していきます。併せて、ビタミンC、ベータカロテン、ルテインなどの栄養素の濃度が上昇することが解明されています。

 それでは、栽培のポイント。 

・土質の抵抗性は広いのですが、酸性土壌には最も弱く、pH5.2以下ではほとんど育ちませんので、石灰資材を施すことが大切です。
 ・水はけが悪く、雨水が滞るような場所は避けてください。発芽後、立ち枯れしやすくなります。
 ・品質の良い収穫をするには堆肥などの有機物を施し、十分な土づくりが特に必要です。
 ・寒締めホウレンソウは、通常品種より、株張りが良いのと、日長が短くなる頃の品種なので、日照を稼ぐため、株間、条間とも通常より広めに種まきしてください。
 ・ホウレンソウの種のまき床が、でこぼこしていると、発芽や生育の不良原因となります。

 施肥目安としては、1坪当たり、完熟堆肥7キロ、石灰450グラム、有機配合450グラム以上が基本的な施肥量目安です。寒締めホウレンソウは、鮮やかな緑色で肉厚。さらに根元の赤みが強く、葉が根元から密生していてボリューム感に加え、茎が太く、みずみずしいのが魅力です。

 北部九州特有の冷たい北風や無風時の降霜など厳しい寒さにさらされるほど、軸の部分の糖度が高くなります。えぐみが少ないので、根もいっしょに食べましょう。しかし、寒さのピークを越え、暖かくなってくると再び生育を始め、一気に糖度が下がってしまうので、とり遅れのないように注意してください。

 インフルエンザなどの感染症を防ぐためにも体の免疫力強化はますます重要視されています。露地の寒さでビタミンCやベータカロテンなどの栄養素の濃度が高まるホウレンソウの摂取は貴重と言えます。なかなか直売所やスーパーなので見かけない寒締めホウレンソウ。ぜひ、栽培にチャレンジしてみてください。

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

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古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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